招き男







 どうも僕は「招き猫」というか「招き男」のようだ。
 ある日京都嵐山に遊びに行った帰り道、土産を物色して和菓子屋に入った。客は1人もいない。他の店よりちょっと高級そうな店だったので、仕方ないかなあ、と思いながら陳列ケースを覗いていると……。僕の後からおばさんたち3人組が入ってきてワイワイガヤガヤ。僕を押しのけるようにして陳列を覗き始め、「あれがいい」「これが美味しそう」等とのたまい始めたので、何か買う気が失せて店外へ脱出。

 仕事帰りにコーヒーが飲みたくなったのでとあるカフェに飛び込んだ。店はガランとして客はほとんどいない。こりゃのんびりできていいや、と思っていたら、その直後1組のカップルと女性2人連れが続いて入ってきて、さらに続々と客が入ってきて、いつの間にやら店内はいっぱいに。

 これらの出来事はほんの一例に過ぎない。過去同じような経験を数限りなく繰り返している。
 良し悪しは別として、どうも僕には客を引きつける習性があるようだ。友人に話すと「商売人になればいいのに」と言われたことがあるが、自分では商才があるとは思っていない。
 元々混んでいる所が苦手で本能的に避ける傾向にあるため、自然に上述のようなケースに遭遇しやすいのかも知れない。美味しいとの評判から行列までできている店を時々見かけるが、付き合いでというのは例外として、過去自主的に行列に並んだことがあまり記憶にない。おのずと空いた店へと足が向いてしまう。

 その他、定期売り場で後にずらりと並ばれたり、デパートで靴を探していると急に客が増えたり、昨日空いた回転寿司に入ったけどやっぱり同様のことが。
 そういえば、ラブホテルでパネルボードが全部消えていた(満杯)ため、順番待ちをしていると続々とカップルが現れ待合室がいっぱいになったことが一度ならず何度かあった。これも招き男のなせる技か?(笑)こんなこと書いていると、どこかの商売人が僕を雇用したいとメールしてくるかも!こりゃ断るのに大変だ!(爆)















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