ある土曜日の昼下がりのことであった。
大阪は海遊館の近く、天保山マーケットプレイスの大観覧車に奈々子と乗った。
大観覧車は、直径100m、地上高112.5mとかなり大きい(※)

「わあ、凄いね!大阪湾だけじゃなくて神戸まで見える!見て見て、ハーバーランドも見えてる~」
「そうだね。天気が良いからすごく遠くまで見える」

奈々子は、「空中で二人だけって気分いいね。キスする?」

僕は「キスだけじゃなく、もっと凄いことしよう!」と奈々子をぐっと抱きしめた。

「ちょっとちょっと、ほかのゴンドラから見られるよ……」

僕はやめなかった。スカート内に指を忍ばせ大事な部分をグチョグチョいじってみる。

「ああん……ダメだよ……」

奈々子は切ない声を奏で、瞳がとろんとしている。
僕の股間もギンギンになってきた。
奈々子に告げる。

「頂上附近の90m辺りまで昇ったら、入れちゃうよ」

現在80m辺りにいる。
90m近くまで来たところで、奈々子のモスグリーンのショーツを一気にずらした。
愛撫は十分とは言えないが、感じやすい子なので何とかなるだろう。
さあ、一気に行くぞ!
僕の膝の上に奈々子を同方向でまたがる。
いわゆる背面座位だ。
ほかの体位でしたくても、正常位、騎乗位、立位は物理的に無理だし、正面座位もちょっと厳しい。
ほかのゴンドラから見られてエッチしていることが直ぐに分かる体位は困るわけで、結局背面座位がもっとも無難といえる。

意外にも潤っていた奈々子の割れ目に肉棒を背後からズブリッと挿し込む。
時間が無いので早めにイカなきゃいけない。
ピッチの速度を上げ奈々子を突きまくる。

(グッチョ、グッチョ、グッチョ、グッチョ!)

奈々子は、早くも善がり声をあげている。
僕たちのゴンドラは頂上を過ぎた。
でも僕はまだイカない。
気持ちはいいのだが、射精するにはもう少し時間が必要だ。
焦りが僕を支配する。
ほかのゴンドラからの視線も気がかりだ。
次第に地上が近づいて来る。
それでもまだイキそうにない。
もう時間切れだ。
不発弾を抱えたまま中断するのは悔しいがやむを得ない。
泣く泣く奈々子にショーツを上げさせた。
僕もファスナーを上げようとしたが、どこかに引っ掛かって上がらない。
うわ~っ!地上が近い!
係員のお姉さんの姿が近づいてきた。
大変だ!

「Shy、どうしたの?起きて」

耳元に奈々子の声が聞こえた。

「え……?もしかして……夢?」
「すごくうなされてたわ」
「ふぅ……夢だったのか……焦った……」

僕は汗びっしょりになっていた。
夢から覚めても、リアルさが抜け切らず、しばらく呆然としていた。
奈々子はポツリとつぶやいた。

「ね~、明日観覧車に乗りに行こうよ~。天保山の大観覧車に乗りたいな~。ねぇ?」
「ん?大観覧車?しかも天保山……?」

奈々子の言葉に唖然とした。
もしかして明日の出来事が夢に出て来たの?そんなばかな……。

「ねえ奈々子、まさか観覧車の中でエッチしようと思ってるんじゃないだろうね?」

と思わず尋ねてしまった。
奈々子は笑って答えた。

「ええっ!?観覧車でエッチを?そんなぁ。いくらわたしがエッチが好きだと言ってもそりゃあ無理だよ~。Shyは何考えてんだか……ったく……」

翌日、予定どおり天保山に出かけ観覧車に乗った。
だけどエッチはおろかペッティングもしなかった。
少し長めのキスをして何気に隣のゴンドラを見ると向こうのカップルがこちらを覗いていた。
やっぱりよそのカップルの動向は気になるものなんだ。

夢が正夢じゃなかったのでホッと安堵のため息をついた。
でも半面、ちょっと残念だったような気持ちもある。

それから一年後奈々子とは別れ、その後付き合った女性と観覧車の中でかなり濃厚なことをしてしまった。
夢は近未来を予知するとは限らず、遠い未来を予知するものなのかも知れない。

◇◇◇

なお「天保山大観覧車」には現在一部シースルーゴンドラがあり、ほかのゴンドラからは丸見えです。






※(参考)観覧車高さランキング

1位・レッドホースオオサカホイール(大阪:エキスポシティ) 高さ123m(直径114.7m)

2位・ダイヤと花の大観覧車(東京:葛西臨海公園 ) 高さ117m(直径111m)

3位・大観覧車(東京:お台場パレットタウン ) 高さ115m(直径100m)

4位・天保山大観覧車(大阪天保山ハーバービレッジ) 高さ112.5m(直径100m)

5位・コスモクロック21(神奈川:横浜コスモワールド) 高さ112.5m(直径100m)

6位・ レインボー(熊本:熊本グリーンランド) 高さ105m(直径100m)

7位・スペースアイ(福岡:スペースワールド)高さ100m

7位・大観覧車オーロラ(三重:ナガシマスパーランド)高さ100m






















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