第10章 膣前庭は意外な盲点 舌全体を押し当てて

性的な高まりによる勃起現象が、男性特有のものでないことは、ご存じの方も多いだろう。女性でいえば、乳首やクリトリスも性的な刺激で勃起現象が起こるが、意外と知られていないのは腰前庭の勃起である。 
膣前庭というのは、クリトリスから膣口までの部分、具体的にいうと、尿道口から腱開口部の小陰唇に囲まれた部分のことである。

ここは女性に舌技を行なう時にも、クリトリスと膣の狭間に位置するため、意外に男性には相手にされないで終わってしまう場合が少なくないが、実際は末梢神経が集中した、女性の性感帯のなかでも、もっとも感じやすいポイントのひとつである。
ここには、男性の陰茎部にある海綿体と同じ組織があるために、性的に興奮が高まるとやはり勃起現象が起きてくる。この部分が勃起すると、場所が場所だけに、まさしく女性器が扉を開いたとでもいう格好になり、インサートへのスタンバイ・オーケーの状態になる。前戯からセックス本番へ移ろうとする場面で、この部分の勃起がひとつのインサートへの目安として役立つ。 

こうした性感帯として重要なポイントを、舌技もせずに放っておく手はないだろう。膣前庭は、性器の面積の中では、比較的広い面積を占めている。

舌先ですこしずつ舐めあげていくのも悪くはないが、女性にインサートをせがませるくらいに興奮させようと思ったら、舌全体をべったり押し当てるようにするのがいい。いくら広いとはいっても所詮は性器で、舌全体を使えば十分まかなえる。この時も、鼻先でクリトリスに刺激を加えるようにすれば、効果はさらに大きくなる。 この時、太股や脇腹への〝指技″も同時に行なうことを忘れてはならない。



第11章につづく












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