第4話

 良樹はあかねをしっかりと見据え結合の興奮と感動に打ち震えた。
 あかねは良樹とは反対に瞳を閉じて、上下に揺れながら結合の歓びを噛み締めていた。
 冷ややかな茄子とは全く違った熱い肉棒があかねの肉道を貫いている。
 言葉にできないほどの快感が身体の奥から込み上げてきた。

 良樹の腰が実にリズミカルに動いている。
 良樹の動きに合わせるように、あかねの腰が妖しく揺れる。

(グッチョン、グッチョン、グッチョン……)

 湿った音が淫靡に鳴り響く。
 あかねのうなじにはわずかに汗が滲んでいる。
 良樹はあかねとは比べ物にならないほど激しく汗をかいている。
 額の汗がポタリと滴り落ち、あかねの乳房を濡らした。
 だけどあかねは気づいていない。
 いや、気づく必要など無用だろう。
 今はこの美しい営みに没頭するだけでいいのだから。

 良樹は腰を動かしながら、あかねのふくよかな胸を愛撫した。
 唇が乳首に到達すると、キスをするというより、まるで乳飲み子のように激しくしゃぶりついた。

「あ、ふぅふぅ、あは~ん、良樹~、わたしもうダメ、もうダメ、イキそう、イキそ……」
「いいよ~、イッテもいいんだよ~。オレだってもう……」

 良樹はさらにピッチを上げあかねを突きまくった。
 あかねは絶頂が近いのか、ぶるぶると身体を痙攣させ始めている。
 両腕はしっかりと良樹の背中に廻ししがみついている。

「はぁ、はぁ、はぁ…もう、もう、もう……ダメ~~~!イク~~~~~!あああああ~~~~~!!」

 あかねは無我夢中になり思わず尖った爪を良樹の背中に突き立ててしまった。
 良樹は「うっ」とわずかに呻き声をあげたが、痛みよりも結合の快感が上回っていたのだろう、あかねへの攻めを緩めることはなかった。

 良樹はあかねの腰ををしっかりと抱え、フィニッシュの体勢に入った。
 壊れるのではないかと危惧するほど、その攻撃は激しいものであった。

(ドンッドンッドンッ!)

 良樹の腹筋があかねのほの白い腹部にぶち当たる。
 そして怒張した肉棒をまるで杭のように強く打ち込む。

(グググッ……ドピュ~~~~~~!!)

「おおおっ~~~~~~!あかね~~~~~~っ!!」

 良樹は堪らず声をあげてしまった。
 その直後、あかねの体内へ熱い液体を発射した。

 その瞬間、まるで時間が止まったかのようにふたりは静止してしまった。

「あぁ……良樹……よかったぁ……」
「オレもだよ、あかねは最高だよ……すごくよかったぁ……」
「あぁん、嬉しい……」

 ふたりは熱いくちづけを交わした。
 キッチンシンクに腰を掛けた女と、向かい合って立ち姿の男。
 ふたりはその姿勢を崩すことなく強く抱き合った。

 沈黙が続いた。
 先に言葉を発したのは、あかねの方だった。

「さ、遅くなっちゃった。料理を作らなくては」
「そう言えば、腹が減ったなあ」
「うふ、ちょっと待っててね。美味しいライスグラタンを作るから。さあ、服着ようっと」
「今のオレたちだったら、君がライスで、オレが上に乗った具か?」
「うん、そうね。ライスまで味が染み透っていたわ」
「ん、そうなの?それは良かった。不味かったって言われるかと思ったよ」
「そんなこと、言わないよ~。でもね、突然襲われるって結構興奮するものね~」
「うん、いつもベッドの上ばっかりだものね。たまに場所を変わっても、せいぜいクルマの中ぐらいだものね」
「うん、シチュエーションを変えるってすごく刺激になるのね。今度また違うことしようね?」
「はっはっは!それじゃあ、今度はお医者さんごっことか、レイプごっことかしようか?」
「うん、それ面白そう~、しよしよ~」
「それじゃ、早速、食後に!」
「うわ~!良樹ったらぁ~、すごく元気なんだから。それじゃ、たっぷりと栄養を摂ってもらわなくちゃ。さ、向うに行ってて。料理できるまではもう襲わないでね」
「腹が減って襲う元気なんかないよ。早くライスグラタンを作ってよ」
「そんなにすぐにはできないよ~。テレビでも見て待っててね」

 いつのまにか外は雨になっていた。
 まだ4月の下旬だと言うのにちょっと蒸し暑い。
 バラエティ番組を何気なく眺めていた良樹の鼻孔に良い香りが漂って来た。
 もうすぐライスグラタンができそうだ。
 良樹はスキンの空箱をごみ箱に捨て、新しいスキンのパッケージを解き始めた。





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