第七話「はまぐり啜陰(せついん)」

 筆の先端が容赦なく秘所と菊門をくすぐる。

「ひ、ひぃっ!……だんさん、許して…ください……あぁっ、いやっ!」

 くすぐったさとむず痒さが混在したような奇妙な感覚がありさを困惑させる。
 それはありさが初めて味わう未知の感覚だった。
 ありさの苦悶する様子に愉悦の笑みを浮かべながら、九左衛門は丹念に筆を操る。
 筆の先端は肉芽を旋回し、陰裂を上下に往来し、菊門の皺の一本一本までもなぞっていく。

「ひぃ~~~~~!」

 突然脳天まで電撃のような衝撃が走り、ありさは上体を弓なりに反らせた。

「ほう?気持ちええんか?」
「はぁはぁはぁ……」
「それともこそばいんか?どっちやねん?」
「くすぐったいです……」

 九左衛門は一旦筆を置くと、恥丘から陰部にかけてわずかに茂るまだ薄く柔らかな若草を撫でながらつぶやいた。

「ありさ、毎晩ここを自分でいろて愉しんでるんか?」
「……」

 顔をそむける。

「答えられへんのか?」
「そんなこと……し、したことありません」 
「ほんまか?ほんとは一人でぐちょぐちょとこすってるんやろ?」
「本当にしたことありません」
「そうか。仮に嘘を言うてたとしても、この後のおまえの反応でどっちみち分かるさかいにな」

 そうつぶやくと、九左衛門は大陰唇に指をあてがいそっと左右に広げた。

「い、いやっ……」

 大陰唇を広げると小さな豆粒にも満たない鮮やかな桃色の肉芽が顔を覗かせる。

「ぐふふふ、どんな味やろな?」
 
 九左衛門は大陰唇を広げたまま、舌先ですくうようにそっと舐めあげる。

「ひぃ~っ!いや~っ!やめて!」

 股を閉じようとしても両脚はM字に固定されており微動だにしない。

「なんぼあがいても無駄やで。諦めるこっちゃな~。さあ、たっぷり味見したるわ!」
「いやっ!やめてください!そこはっ、汚いですから!やめてください!」
「汚いことあるかいな。べっぴんやったら少々しょんべん着いててもそれも美味のうちや。がっはっはっはっは~」
「そんなぁ……」

 そういいながら、割れ目に沿ってそっと下から上へと何度も舐め上げる。
 拒んではいるのだが、いつのまにかありさの意思とは裏腹に肉芽は硬くなっていた。

「いやですぅ……うぅ…いやいや……許してください……うううぅ」
「『いややいやや』いうてる割りに、さねは硬くなってきてるやないか。おい、ありさ、ほんとは気持ちようて堪らんのやろ?」
「きもち……よくなんかありません!」
「ふん、この嘘つきが。正直に言うまでとことん舐めたるわ。覚悟しときや」

 大陰唇を両指で開く。
 小陰唇のひらひらはまだ小さく慎ましやかでありさの可憐さを証明している。
 九左衛門は図々しくも大陰唇を広げたまま膣前庭を覗き込む。
 膣前庭は肉色と言うよりまだ薄い桃色をしており、かすかに濡れている。

「ほう」

 舌先で舐めると酸味の少ない甘い味がした。
 ゆっくりと舐め上げて、舌先を硬くして秘部の奥へと向かって差し込む。

「ひぃ!いやです!やめてください!」

 両太腿ががくがくと震え出す。
 M字の中央に九左衛門の頭があり、腰をがっちりかかえて舌を繰り出す。

「いやぁ……ぁ……んっ!……やめてぇ…ください……」

 生暖かい舌の感触はありさにとって、初めはただおぞましいだけであったが、だんだん頭がぼうっとしてきて、心の中の何かがゆっくりと溶けていくような感覚に陥っていた。
 そんなありさに構うことなく、九左衛門は陰裂に舌を這わせ舐め続けた。
 九左衛門はわざとピチャピチャと聞こえよがしに水音を立てて舐め、ありさの羞恥心をひときわ煽った。
 舌は陰裂と肉芽を舐め倒すだけにとどまらず、ときどき舌先を尖らせて膣口に侵入しようとした。

「あっ!」

 九左衛門は膣口を舌先を当ててこそぐように激しく舐め回す。

「ひぃぃぃ~~~~~いやぁ~~~~~!」

 閉じたくても閉じられないもどかしさに、ありさは気も狂わんばかりに泣き叫んだ。

「はぁぅっん!あっ、ぁぁっ……も、やっ…ぁぁっ!やめてくだ……だんさん……っぅあぁぁ!」
「どうや?もう指入るかな?」

 ゆっくりと指一本を挿入していく。

「いたっ!」
「まだきついか?だいぶ濡れて来たんやけどなあ」
「お願いです、許してください……」

 ありさは涙ながらに訴える。

「よっしゃ、指入れるのはちょっとの間堪忍したるわ。その代りこれ舐なめてもらおか?」
「え……!?」

 九左衛門はいつの間にか着物の隙間から怒張した物体を取り出していた。
 反り返った大きな肉棒が突然目の前に現れたため、ありさは言葉を失い呆然と見つめていた。

「さあ、これを咥えてもらおか」
 
 それはありさにとっていまだかつて一度も見たことのない醜怪な物体であった。
 嫌悪感が込みあげてきた。

「ほら、さっさと咥えんか」
「そんなこと……無理です……」
「何を甘ったれたことぬかしてんねん!」

 ありさは顔を振って拒絶しようとしたが、それを許してくれるほど甘い男ではない。
 右の頬に平手打ちが一発浴びせられた。

「いたいっ!」
「ごちゃごちゃぬかさんとはよ咥えんか!」



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