第八話 “生娘指二寸挿し”

 弥平がありさの股間に蝋燭を近づける。
 揺らめく灯火の中で、申し訳程度にしか生えていない薄い繁みが弥平の目に飛び込んだ。
 さらには開脚を余儀なくされているため縦に刻まれた陰裂が丸見えとなり、その内部の桜色をした肉襞までが覗いていた。

「こりゃすげえや~!中まで丸見えじゃねえか!」
「まだ全然使ってねえのか、きれいな色してるじゃねえか」
「どどめ色の遊女と比べると、まるで月とスッポンだな~」
「ははははは~、この娘やはりまだ生娘のようじゃな」
「おい、娘!男とまぐわいはもう済んだのか?」
「そんな露骨に聞いたって答えるはずねえじゃねえか」
「じゃあ何て聞けばいいんだ?」
「ふうむ、『床入りはもうお済みでしょうか?』って聞けばいいんだよ~」
「ぶはははははは~!こりゃ傑作だ~!」

 男たちの卑俗な会話が否応なくありさの耳に入ってくる。
 耳を塞ぎたくても、吊るされている身ではそれもかなわない。

「それにしても俺たちはついているぜ。豊臣の間者を生け捕ったらまさかこんな別嬪だったとはな~」
「全くだ。高野の山中で生娘に有りつけるとは夢のようだぜ」
「よし、じゃあ早速生娘のはまぐりを味わってみるか。後でお前たちにも食わしてやるからな。ぐふふふ……」
「えへへへ、こりゃ愉しみだ。お頭、早いとこ回してくれよ」
「娘のすべすべ肌を見ているだけで、よだれが出てきたぜ。がはははは~」
「それがしのせがれはすでに天井を仰いでござる」

 最初にありさの秘所へ指を伸ばしたのは、頭領の徳太郎であった。

「いやぁ~~~~~~~~~!!」

 夜のしじまを引き裂くようなありさの悲鳴が古びた小屋内に響き渡る。
 野卑な指から逃れたくても、片足を吊り上げられていては足を閉ざすこともできない。
 舌なめずりをしながらありさの秘所を覗き込む徳太郎。
 体臭なのか鼻を突くような不快な臭いが徳太郎から漂っている。

「どれ、生娘の指通りはやはりきついかな?ぐふふふ……」

 徳太郎は中指を立てると、ありさの秘孔にずぶりと突き立てた。

「ひぃ~~~~~~~~~~~!!」

 指がわずか七分(約2センチ)ほど埋没しただけで、ありさは苦痛の表情を浮かべ指から逃れようと腰を引いた。

「痛いか?じゃあこれならどうだ?」

 徳太郎は自身の中指を唾液で湿らせると、再び秘孔に挿し込んだ。

「い、痛いっ!!」
「むむむ、こりゃかなり狭いや……」
「ううっ!痛い!」
「指が千切れそうになるぐらい狭いじゃねえか。だがよ~、後でもっと太いやつをぶち込まれるんだぜ?指ぐらいで音を上げてたら身が持たねえぞ、さあ、歯を食い縛って我慢しな~」

 徳太郎はそうつぶやくと、もう一度中指を突き立てたがなかなか入らない。
 しかもありさが痛がるばかり。

「ひぃぃぃぃぃ~~~~~~~~~~~~!!い、いたいっ!!もう、や、やめてください!」

 ありさは顔を歪ませ痛みを訴えているが、徳太郎は情け容赦なく指を突き立てる。
 それでも思いどおりに入らず業を煮やしている。

「おい、お前ら、ぼんやりしてないで娘が気を遣りそうなところをたっぷりと弄ってやれ!」
「おっと、そうだった!俺は胸を揉んでやるぜ!」
「それがしはこの餅のような尻をしゃぶるとしよう」
「きゅっと引き締まった太腿がたまらねえぜ!」

 手下たちは思い思いの箇所に指や唇を這わせた。

「いやぁ~~~~~~~~~!!」

 無理やりでも男に慣れさせようとする徳太郎とその手下たちの手練手管で、生娘のまま淫らに調教されていくありさ。
 時間の経過とともに、雪のように白いありさの肌が少し恥じらい、頬を薄紅色に染め始めた。
 唇を半ば開き生まれて初めて知る感覚にわなないているようであった。

 かたくなに指の進入を拒んでいた秘孔であったが、まもなく指が容易に埋没を始めた。
 一寸、一寸五分、二寸と……
 水を得た魚のように徳太郎の指は活発に出し入れを開始した。

「いやっ!入れてはいけません!!入れないで~~~~~~~~~!!」

 指を深く挿入しても出血は見られなかった。
 おそらく激しい剣の稽古によって、処女膜はすでに破損していたのだろう。

「痛い~~~~~~~~~~~~~~!!」

「指一本でこの痛がりようだと、俺たちの太竿をぶち込んだ日には、この娘白目を剥いて卒倒するかも知れねえな」
「あ、そうだ、お頭!先日肥後の商人から分盗った荷の中に『肥後ずいき』とか言う一風変わった性具がありやしたが、あれを使ってみれば……」

 突然の弥平の提案に、徳太郎は手を打って喜んだ。

「おおっ、それは面白い!すぐに持ってこい!」
「へい!」

 弥平は棚の上から紫色の風呂敷包みを大事そうに持ってきた。
 風呂敷を解いてみると六寸程度の張形のようなものが入っていた。

『肥後ずいき』はハスイモの葉柄の皮をむいて乾燥させたもので、これに含まれる成分が男女の性器、とりわけ女性の膣に刺激をもたらし性的快感を与える。また、この有効成分により陰茎に流入する血流が増加し、陰茎も一時的ではあるが増大する。腐敗しない限り何度でも使える優れもの。『肥後ずいき』がそれほどの逸品であることを、当然ながら徳太郎たちは知るよしもなかった。






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