第4話「ありさの秘密告白」

 何度目かのキスで、ありさの口内に舌を入れてみた車村。
 柔らかな、キュートな舌が迎えてくれる。
 車村の舌先をチロッと舐めるとすぐに逃げる。
 車村は舌を伸ばして追いかける。
 鬼ごっこにたまらなくなって、車村はありさの腰を抱いていた手を右だけ放し、その右手でありさの胸に触れた。
 車村の口の中でありさの「んっ……」という声が漏れて、甘い息とともに舌がつるりと入ってきた。
 ありさの舌を吸いながら、ブラウスの上から胸をゆっくり揉む。
 カップの感触が邪魔になる。

 ときおりダンボールの壁の向こうを笑い声が通り過ぎていく。
 しかし今の車村には、ありさ以外は眼中にない。
 客が入ってくるので落ち着かないと感じた車村はありさに場所移動を提案をした。

「狭いし、どこかほかの場所に行かないか?」

 校内のどこかに二人の隠れ家ぐらいは見つかるだろう。
 ところが、ありさは意外にも「でもこんな機会、なかなかないよ?」とむしろ楽しそうにささやく。
 それでも車村が不安そうにしていると、

「大丈夫。私、声は結構我慢できるの」

 こちらが落ち着かないんだけど……と心でつぶやく車村であったが、欲望に打ち勝つことができず、ありさの希望どおりここでの残留を決めた。

「さっきはどこを触られたの?」

 と車村が尋ねると、

「お尻を触られた」

 とありさが答えた。

「ここ?」と聞きながら、車村がありさの尻を撫でた。

 その柔らかさ、感触のよさに、車村は舞い上がりそうになる。
 それに細い腰だが、丸く切れ上がったきれいなヒップラインがすばらしい。
 車村はスカートの上からではあったが、両手で臀部を愛撫した。

 そして、ふたたびキス。

 車村は舌をからめながら、唯一無二の宝物を手に入れたように歓喜し、暗闇の中でありさのブラウスのボタンを二つ外した。
 これほどに楽しくてもどかしい手探りは初めてだ、と車村は思った。
 生徒会室で見た、ブラウスにうっすらと透けていた淡い水色のブラジャーがあらわになっているはずだが、暗闇で確認できないのが残念であった。
 つい夢中になった車村は、ショーツの中に手を突っ込もうとしたが、ありさが車村の手をつかみ、「もっと、ゆっくりと……」と言うようにブラウスの中に誘導した。
 学年は車村が1年先輩だが、ありさの方が大人かもしれないと思う車村で思った。

 気を取り直してブラジャーに指を入れてみる。
 食べ頃に色づいたベリーのような乳首がつんと勃っているが、残念ながら車村には暗くて見えない。
 硬くなった乳首に指先が触れ、甘い吐息が車村の唇にかかった。
 手をブラジャーの中に差し込んでみる。
 手のひらが触れさらに硬くなる乳首。小ぶりだと思っていたが、十分手のひらサイズの乳房。
 弾力のある柔らかさに触れ、車村は舞い上がりそうになる。

 ありさの熱い吐息が漏れる。
 乳房を揉まれながら、互いの唇を、舌を吸い合い、舐め合い、吐息を相手の口に送り合う。
 車村は、さきほどから気になっていたことを、つまんだ乳首に刺激を与えながら尋ねてみた。

「ありさちゃん、処女じゃないね?」

 ありさはすこし間を置いて、車村にささやいた。

「先輩に逢う、ちょっと前に別れたの。初体験の彼氏と」
「初体験っていつ?」
「ん……1年前かな」

 車村はそれ以上聞かなかった。
 もしも相手が在校生徒だったら、嫉妬で狂いそうになるからだ。

「そうか」

 車村は一言だけ返すと、ブラウスの裾をスカートから引き出し、まくりあげるとブラジャーを上にずらした。
 さらに乳房の位置を握りながら確かめ、そのまま屈みこんで乳首を口に含む。
 せいいっぱいやさしく、舌で乳首を転がせる……吸う……そして揉む……
 乳房から唇を離してキスしようとすると、ありさの手が自分の口を覆っていた。
 声が漏れることへの用心だった。

「いやなこと聞いてごめんな」

 車村がポツリとささやいた。
 すぐにありさは、

「いいのよ、俊ちゃん」

 と、車村を下の名前で呼んだ。
 車村の胸に熱いものが込み上げてきた。

 一度キスをしてから、ふたたび唇は乳房に戻る。
 乳首を口に含むと、舌で強く転がした。

「ぁぁ……」

 ありさは声を殺そうとこらえているが、かすかに漏れてしまう。
 車村は音を抑えて乳首を吸いながら、じょじょに手を下へと滑らせていった。

 脇腹からスカートの腰を経て、太腿の外側。
 そこから膝を回って、腿の内側を撫で上げ……しばらく太腿の内側を撫でる。

 そして……
 車村の指がスカートの中に達し、ショーツの上から股間を刺激しようとしたとき、ドタドタっと音がした。
 
 空気が凍りつく。
 ビクッと動きを止めるふたり。

「何やってんだよ~、おまえらぁ!」

 突然、天井の電気が点いた。
 まぶしさに一瞬目が眩む。

「苦情が出てるぞ! ほら、ここ中止! 全員出ろ!」

 教師だ。



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野々宮ありさ














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