第3話

「う~ん、こごのおなごはもっど日さ焼けて真っ黒だ。それさ身体もガッチリしてら。それさ比べて、あんたは色はたんげ白いし、それさ細い。まるでモデルさんみてだきゃ」
「いいえ、そんなぁ……」

(この人、私が女優の本上きょうこだとは知らないみたい。その方がいいわ。知らない方がふつうに話ができるし楽だから、このまま黙っておこう)

「う~ん、だばやっぱりあんた……どこかで見だような気がすらきゃ……」
「へえ~、他人の空似じゃないですか?」
「見だような気がするんだけど、どさで見だのか思い出せねんだ。う~ん、俺の勘違いがも?まあ、そんなことよりビールが空さなてらし。お~い、ジョッキーばもう1つ頼むし~。ついでさ銚子ももう1本きゃ」

 飲み始めてからどれだけ時間が経過したのだろうか。
 すごい量を飲んだような気がする、ときょうこは思った。
 仕事以外の人と飲むと、気持ちが和みつい飲み過ぎてしまう。
 いや、車野原と言う男が気さくな人柄と言うこともあって、思わず気持ちが緩んでしまったのかも知れない。
 普段きょうこはかなりいける口だが、それにしても少し飲み過ぎたようだ。
 車野原もきょうこに劣らずかなり飲んだが、呂律はしっかりとしている。

 それからきょうこが気づいたときは、いつのまにかベッドの中で車野原と縺れ合っていた。

(どんな話の流れからここに来たのかしら……よく憶えていないわ……)


 酔いが醒めたきょうこの脳裏には、ゆきずりの男性とホテルに来てしまったことへの後悔があった。
 だけど今更途中でやめる訳にもいかない。
 
(でもたまにはいいかも……)

 躊躇いはあったが流れに身を任せ、たまゆらの恋に堕ちるのも悪くはないだろう。
 車野原はきょうこに覆いかぶさり、乳房に舌を這わせてる。
 すでにブラジャーは身に着けていなかった。
 きょうこ自ら外したのか、それとも車野原に脱がされたのか、全然憶えていない。
 だけどパンティはまだ穿いている。まだセックスはしていないと言うことか。
 乳房を丹念に愛撫する車野原から漂う潮の香り。
 別れた男が好んでつけていたジャンフランコ・フェレのシトラスな香りとはあまりにも掛け離れている。
 きょうこは大海原に挑む男の大自然の香りがすごく新鮮だった。

 それにしても何と言う引締まった素晴らしい肉体であろうか。
 まるでミケランジェロのダビデ像を見ているようだ。
 北の荒海に命を張った男の強靭な肉体……スポーツジムで鍛えた都会の細マッチョとはどこか違う。
 きょうこは車野原に抱かれながら、いつしか夢心地になっていた。
 車野原はその素晴らしい肉体からからは、想像もできないほどの細やかな愛撫をきょうこに施したのであった。
 乳房への愛撫だけにとどまらず、うなじの後れ毛の生え際辺りの攻め方は絶妙であった。
 また、きょうこの手をとり指の1本1本に丁寧なくちづけを施した。

「指、すごくきれいだけど、これなんて言うの?」
「これはネイルアートって言うの。ああぁ~、指……すごく気持ちいい……」
「へえ~、本当さきれいだきゃ。俺初めて見だし。だってこの港で見だごどねえもの」

 そういいながら車野原はきょうこの指を吸い始めた。

「いやぁ~ん……だめぇ~……感じちゃう……」

 ほどなく愛撫は二の腕を経て腋に移行する。
 腕を上げさせられ腋に唇が這うと、きょうこはくすぐったさで首をすっこめる。
 腋から脇腹を丁寧に愛撫する。
 くすぐったさと快感が混在入り混じったような複雑な感覚。
 さらに腰骨にかけて攻めるときょうこは激しく身もだえした。
 徐々に湧き立つ歓喜の渦に巻き込まれたきょうこは、狂おしそうにシーツを千切れるほど握り締めた。

 車野原の指はパンティに触れたが、まだ脱がそうとはしない。
 パンティの上端部を少し捲ってしゃぶりつく。

「だめぇ~……」

 いきなりクロッチの中心部を攻めたりはせず、布の端部からゆっくりと中心部を目指す。
 その方が期待感がゆっくりと高まっていくのだろう。
 クロッチには早くも薄らと直径1センチほどの染みが薄らと浮かんでいる。
 舌はさらに下りてクロッチからわずかにはみ出てる大陰唇の膨らみをしゃぶりあげた。

「いやぁ……そこはだめぇ……はぁあ~ん……」

 きょうこの甘く艶めかしい声が響き渡る。
 そしてついに舌先が染みの浮き出ている箇所を捉えた。
 突然火が点いたように大きな声をあげるきょうこ、腰をピクピクと痙攣させている。
 舌は優しく舐めたり、強くこそいだりを繰り返しながら、クロッチ上を旋回する。
 きょうこの嬌声とともに、染みが次第に広がりを見せていく。
 クロッチ上部のコリコリとした突起物を舌が捉えた。

「きゃっ……そこはぁ!」

 きょうこの反応を見てさらに車野原の舌は活発化する。
 愛撫は舌から指へとバトンタッチされ、クロッチ中央の凹みに沿って擦りあげる。

「あんあんあん~……いやぁ~~~~~!」

 数分クロッチへの指攻めを繰り返した車野原は一旦動きを止めると、正面にきょうこを座らせ自身はその前に仁王立ちになった。
 きょうこの目前には激しく怒張した肉棒がそそり立っている。
 薄暗い照明の中でもその巨大さはすぐに分かる。
 長さは18センチ程度だが、きょうこが驚いたのはその太さだった。
 しかも先端の鰓の部分が恐ろしく張っている。

(こんなのを挿し込まれたら私壊れそう……)

 一瞬たじろぎを見せたきょうこであったが、次の瞬間大きく口を開いた。


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きょうこ(イメージ)











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