第8話
「レオ、もう寝たのぉ?」 「にゃあ~」 「アハ、まだ起きてたんだぁ。もしかしたら静が来るまで待ってくれてたのぉ?」 「にゃごぅ~」 (ははは~、ネコの言葉を都合の良いように解釈する子だな~。でもそのとおりだもんね。俺は静が入って来るのを待ち焦がれていたんだものね~。さあ、ここはできるだけ猫らしく甘えなくちゃ。うっふっふ、これは面白くなって来たぞ~) 掛け布団の割りと浅い場所に俺は横になっていた。 (ゴソゴソ) 静が布団にもぐり込んで来た。 身体の熱気で静が迫っているのがすぐに分かる。 (すげえ~!俺は今、静と同じ布団に入っているんだ~!うひょ~、夢にまで見たこの場面、だけどこれは夢じゃないんだ~。いや、もしかしたら夢かも?ちょっとつねってみるか) 俺はつねりにくい指で何とかヒゲを引っ張ってみた。 (にゃ~ご~!)(イテテテテ~~~!) 「レオ、何を騒いでいるの?ねぇ、もっとこっちにおいでよぉ」 ネコは本来気位が高く、イヌのように家の主に声をかけられたからと言って、直ぐに尻尾を振ってじゃれついたりはしないものだと知っていたから、俺はあえて静が声をかけて来ても、わざと動かないでじっと耐えていた。 だけど静に密着できる絶好の機会だ。 これを逃すともう機会は訪れないかも知れない。 俺は静の声がけに素直に従うことにした。 (にゃお~) そばに近づくと静は俺の背中を撫でながら、自分の方へとたぐり寄せた。 静は横向きに寝転び、両手で俺を包み込んだ。 そしてあろうことか胸の辺りで俺を抱きしめた。 「レオ~」 (わわわわわ~!静のおっぱいに触れてる~!おお~、想像以上にでかいぞ!それに弾力性も抜群~。Tシャツは着ているけど、これだけぴったり密着すると、おっぱいの形がほとんど分かるものね~。しめしめ~) (にゃご~。ゴロゴロゴロ) 「甘えてるのね、よしよし、レオは可愛いねぇ」 「にゃ~」 (静に可愛いなんて言われると何かくすぐったくなるな~。あ、いけねえ、俺がネコだってこともう忘れてる。ははは~) 「ねえ、レオは恋したことあるのぉ?ネコでも恋するよねぇ?」 「にゃあ・・・」 (ネコが恋するかしないかなんて、俺の知ったことか!つうか、そんなこと尋ねられても困るんだよねえ)
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