第1話
イヴは秋の冷気を肌に感じ、目を覚ました。
弱々しい日差しが大きな窓から部屋を照らしてる。
時計を見た。まだ6時30分である。
昨夜は激しく燃えた。
初体験の〝窓の月〟という体位に打ち震えたのは何時間前だったろうか。
身体の奥底にまだその余韻がさざなみのように打ち寄せてくる。
ふと、俊介を見た。
スヤスヤとよく眠っている。
イヴは俊介の背中に絡み付き、俊介の背中にキスをした。
反応が無い。つまらないと思った。
右手を俊介の下半身に伸ばした。
いつのまにか行儀よくトランクスを穿いている。
トランクスの上から、股間を触れてみた。
(やだ~!もう、こんなに大きくなっているわ)
隙間から指を差し込んでみた。
俊介の充血して大きくなったモノをそっと掴んだ。
いとおしむようにそっと撫でてみる。
寝ているくせにイヴの愛撫に反応して、掌の中で硬さが増してくる。
(これって、別のイキモノみたいだわ)
触っているうちに、イヴは自分の身体の中心部がじんわりと熱くなって来た。
(いやだぁ、私も感じて来ちゃった……)
そして悪戯っぽい動作で、俊介の布団に頭から潜り込む。
尻だけが布団から突き出てる。
布団に潜るために尻を左右に揺らせる。
その仕種がやけにエッチぽい。
(どうせ髪は後でシャンプーをするんだから)
イヴは布団に潜って、俊介のトランクスをするりと下ろした。
俊介の大きくなった肉塊が、バネのように弾ける。
イヴは小さな口を精一杯開いてみせた。
(カプッ……)
俊介の先っぽの太い部分を口の中に含む。
そしてキャンディを舐めるようにおいしそうに舐めた。
(チュパ、チュパ…)
カリの根っ子の部分や先っぽを丁寧に舐めあげる。
そして大きく含んで喉の方まで挿し込む。
ちょっと苦しい。
でも、彼のモノを独占した気分になり、とても満足感に満ちている。
(うっ……うう……)
俊介がとうとう目を覚ましてしまった。
「ああ……イヴ、朝からもうこんなことを……ふふっ、好きだね……あぁ……気持ちいい……」
心地良い目覚めを迎えたせいか、俊介はとても機嫌がよかった。
しばらくはすべてをイヴに委ねた。
だけど本来積極的な性質なのでじっとはしていられない。
すぐに攻撃態勢に入った。
第2話
俊介の顔はイヴの下半身に接近する。
だけどイヴはフェラチオをやめようとしない。
ふたりは“69”の体勢に入った。
俊介は早くも強い興奮を覚えたのか、朝からかなり荒々しい。
クロッチに舌をべったりとつけて、こそぐように強く舐めた。
イヴがすぐに反応を示す。
「ああっ!俊介、そこいいよ~!」
薄いピンクのその個所が、俊介の唾液でじっとりと濡れている。
いや唾液だけではなくイヴが身体の奥から滲み出させた蜜も混じっているのかもしれない。
(ベチョベチョベチョ……)
イヴは下半身の攻めに耐えながら、自らも尽くすことを忘れない。
しかし息がかなり荒くなっている。
ときおり咥えたものを放しては深呼吸をしている。
俊介の攻めが一段と激しさを増してきた。
クロッチを横にずらして、イヴのデリケートゾーンを露出させてしまったのだ。
ピンク色の愛らしい亀裂が覗いおり、潤沢な蜜を湛えていた。
俊介は蜜を舌ですくっって味わった。
ゴクリと飲み込む音がした。
「美味しいよ、イヴ……」
「俊介ぇ、恥かしいよぅ……」
俊介の指先は真珠貝に的をしぼり、小刻みに刺激をする。
さらに舌は亀裂に挿し込み、ベチョリベリョリとすくいあげる。
二ヵ所攻めされたイヴは早くも高まりを見せる。
「ふはぁ~!ひやぁ~、そこぉ~、そこぉ、感じるぅ……ふはぁ……」
(ピチョピチョピチョ)
「あぁ、いい、あぁ、いい。いやぁ……あはぁ……やめないで、やめないで、やめないで……」
俊介はピラピラとしたものを咥えて広げる動作を見せた。
「いやいやいや!広げないで、広げないで、恥かしいぃ……」
「中のお味もじっくりと賞味させてもらうよ~」
「はぁ、はぁ、はぁ、はふ~んっ!いやぁ~!」
(ベチョベチョベチョ……)
「しゅ、俊介、もうダメ!もうダメ!入れて、入れて、早く入れて~!」
「まだダメダメ、もっともっと舐めてから……」
「いやぁ~ん、もう狂っちゃぅ~!意地悪ぅ~、早く、早く、早くぅ……」
「ふふふ……それじゃ朝から豪華なごちそうをいただこうか」
俊介は布団を払いのけ、イヴのパンティを一気に剥ぎとってしまった。
イヴの身体に覆い被さり、そっとくちづけを交わす。
イヴは俊介の重みを身体で感じとり、まもなく開く舞台の幕に胸が高なっていく。
両足がゆっくりと左右に広げられた。
第3話
おもむろに俊介の腰が沈んだ。
(グチュ……グググ……)
見事に縦に割れた亀裂の中央に、肉杭が突き刺さる。
「あぁ……」
イヴは顎をあげ、小さく息を吐く。
腰が前後に動く。まるでメトロノームを刻むように。
だがそれも最初のうちだけ。
だんだん速度が増し、ときおり、小刻みな振動が加わる。
ピストンから回転に変化した。
(グルングルン!)
「いやあ!すごい!ふはぁ~~~!」
(グルングルングルン!)
回転により肉道の内壁がつよく刺激を受ける。
「あぁ、気持ちいい、そこいい~!」
おそらくGスポットを擦っているのであろう。
膣の上部に当たるたびにイヴは声が高くなる。
「イヴ、まだイっちゃダメだよ~、次はね……」
イヴは一瞬動きが止まった俊介に、ちょっぴり不満そうな表情を見せる。
だがそれもほんのつかの間。
俊介は手際よく、次の体位へと移行していく。
抱えていたイヴの右足を放し、俊介の左足は、一歩前に前進した。
つまりイヴの股間と俊介の股間が交差する形になった。
交差したまま、俊介は腰を入れ、大きく開かれたイヴの亀裂にふたたび肉杭を打ち込んだ。
『絶頂体位 松葉くずし』の完成である。
「俊介……これ何ていうの?こんなの初めて……」
「あれ?イヴは経験が無いのかな?これって有名な『 松葉くずし』だよ」
そうささやきながらも俊介の腰は止まらない。
押し込むようにイヴの花びらを攻め続けている。
(グイグイ……)
「ああっ、あああ……これ、すごい、これすごく効くぅ……」
俊介は『 松葉くずし』で挿入した自らの肉竿をグルグルと回し始めた。
「いやぁ!ああ!すごい、すごい、凄すぎる~!」
(グッチョネ、グッチョネ、グッチョネ!)
「ああん、おなかがぁ、おなかの中が掻き回される感じぃ……ひいぃ、ひい、ひいぃ~~~~!」
「イヴ、ああ、すごくいいよ!僕はもう限界だ。い、いっちゃうよ~!」
「いって、いって、いってぇ~!わ、私ももうダメぇ!あぁぁぁ、らめぇ~~~~~!」
俊介は『 松葉くずし』の抱擁に不向きな体勢の中で懸命にイヴを抱きしめようとした。
イヴもまたいっぱいに手を伸ばし、俊介に抱かれようと身体を伸ばした。
(グルグルグル…ドピュ~ン!!)
強い痙攣とともに熱い液体は噴射された。
薄いスキンが破けるのでは、と思うほどに強烈な発射であった。
第4話
「ああ、イヴ……すごく良かったよ……できれば、イヴのお腹の中に出したかったぁ……」
「うん、私も……いつかいっぱい中に出してね。私のお腹の中に……」
やがて沈黙が訪れふたりはかたく抱きしめ合った。
桂川を渡る風が窓から入ってくる。
まだ熱気の冷めないふたりには、とても心地がよい。
「ねえ、俊介……『松葉くずし』ってすごい体位ね……気持ち良かったわ……」
「気に入ったの?またしようね。僕たちはまたしばらく離れ離れだけど、葉っぱが落ちる落葉樹ではなく、ずっと常緑樹のように変わらずにいたいね。ずっとこのまま……」
『そうね。ずっとこのまま、愛し合おうね、俊介……。あっ、そうか!そうだったんだ!だからこの旅の最後の体位に『松葉くずし』を選んだのね?」
「ふふ、さすが、イヴだね。そのとおりだよ。ずっと変わらずに……という気持ちを込めて『松葉くずし』で一つになったんだよ」
俊介はイヴを抱き寄せて、熱いくちづけを交わした。
それからどれほどの時間が経ったのだろうか。
ふと玄関先から仲居の声が聞こえて来た。
「おはようさんどすぅ。もう起きはりました?朝ご飯をお持ちしょう思いますねんけど。どうですやろ?」
二人は慌てた。
まだ早朝だと思っていたが、いつのまにか時間がかなり過ぎていた。
俊介はゴクンと唾を飲み込んでようやく問いに応えた。
「おはよう。もうちょっと待ってね。え~と、こっちから電話を入れるよ」
「へえ、承知しました。ほな、よろしゅう頼みますぅ」
仲居はあっさりと消えていった。
おそらく気配を読み取ったのであろう。
ふたりは急いで着替えを始めた。
イヴは焦って穿いたパンティが、相当な水分を含んでいることに気づき、バッグの中から替えの白いパンティを取り出した。
「もう俊介ったら、パンティがダメじゃない~」
「ああ、ごめんね。替えがあって良かったよ」
「俊介のことだから、余分に持って来たのよ。どうせ濡らされるのが分かっているから」
「僕は消防署か~!」
「そうよ、火災の私をボトボトに濡らす貴方は消防車よ!」
桂川の向うでは紅葉がはじまり,落葉樹に混じって松の緑が美しく映えていた。
完