Shyrock 作

官能小説『ユマ 夕陽を浴びて』



 ここは大阪のとあるホテル。
 35階の窓から大阪湾が一望できる。
 今日は珍しく空気が澄んでいるせいか、はるか彼方には神戸の街が望める。

 ユマはバスからあがりスポーツドリンクを飲みながら、沈む夕陽を眺めている。
 直ぐにドレッサーに向かわない辺りが、いかにもユマらしい。

「ねえ、俊介さん、やっと会えたね」
「うん、この日が来るのを僕は待っていたんだよ。ところで、『さん』付けはもうやめないか?呼び捨てして欲しいな」
「いいの?じゃあ、俊介……何だか照れくさいわ……でも急接近したみたいな感じがするね。これからそう呼ばせてもらうわ。俊介……」
「急接近したみたいじゃなくて、もう接近しているよ、ユマ」

 というや否や俊介はユマの背中に手を廻し、強く抱きしめた。

「ユマ、会いたかった……」
「俊介、私も……寂しかった……」

 窓のカーテンも閉じないままふたりは抱きあい、唇を重ね合わせた。
 抱き寄せる腕に力がこもる。
 ユマの唇に俊介の舌がするりと入った。
 お互いに唇を激しく求め合う。

 それからどれほどの時間が過ぎたのだろうか。
 俊介は唇をユマの耳たぶに移し、やがて首筋を這った。
 1箇所に止まらず場所を変えていく。
 まるで吸盤が這うようにユマの首筋から鎖骨を襲った。

「あっ……俊介……」

 俊介の指は、ユマの身体に巻かれたバスタオルに掛かった。

 パラリ……
 ユマの身体を覆うバスタオルが床に落ちた。
 ショーツ1枚の姿になったユマ。

「いや……恥ずかしい……」

 ユマの透き通るように白い肌が突然俊介の目前に現れた。
 何と木目の細かい美しい肌だろうか。
 俊介は、眼を見張った。

「ユマ、君は美しい……ため息が出そうだよ」
「俊介、嬉しい……」

 ふくよかなふたつの隆起。
 何と素晴らしい形状をしているのだろうか。
 俊介はもう一度ユマを強く抱きしめた。
 美しいふたつの隆起が男の厚い胸に密着していく。

「ユマの胸って素晴らしいね。こうして胸を合わせているだけで、僕はもう興奮して来たよ。どうしよう……」
「俊介ったら~。口がうまいわね。他の子にもそんなこと言っているんでしょう?」
「言ってないよ。君だけだよ、ユマ……」

 俊介は突然ユマを抱き上げてベッドに運んでいった。

「…………」

 ユマの胸の鼓動は高鳴っていく。

(これからどんなことをされるのかなぁ……)

 期待と不安……ふたつが交錯し複雑な気持ちがユマの胸中を駆け巡った。

 俊介はゆっくりと衝撃を与えないように、ユマをベッドに仰向けに寝かせた。
 白い肌に白いシルクのショーツが眩しい。
 下着姿の麗しき裸女がそこにいる。
 その艶めかしい姿をどのように表現すればいいのだろうか。
 まるで天空から天女が舞い下りたようだ。

 俊介は直ぐにユマの横に寝転び、ぐっと抱き寄せた。
 めくるめくキス。
 繰り返し熱いキス。
 俊介はユマの首筋や胸、乳首、お腹、太股、あらゆる場所を丁寧に愛撫した。
 次第にユマの頬が紅潮していく。
 念入りに乳房への愛撫を繰り返すと、乳首が硬くなってきた。

「あっ……あっ……もう……」

 そして……
 俊介はショーツの上を優しく撫でた。
 腹部から始まり次第に下方へと向かっていく。
 こんもりと小高い恥じらいの丘。
 俊介は指を2本揃えてそっと撫でた。

 ユマがビクンと反応を示す。

「ユマ、もうこんなになっているじゃないか?」

 ユマの白いショーツはすでに湿気を帯びており、一部のゾーンだけが変色していた。
 俊介はわざと顔を近づけて覗き込んだ。

「いや……見ないで……恥ずかしい……」
「いいじゃないか。もっと見せて」
「いじわるぅ……」

 恥じらいの丘に円周を描く。
 指は少し力を入れたり抜いたりと強弱をつけてみる。
 単調よりも変化……そう、女性には常に変化をもって接するのがよい。

「俊介……あっ……ああ……だめ……」

 恥丘の少し下にわずかな窪みがある。
 俊介の指はその窪みを目指してうごめいた。

 ゆっくりゆっくり、はやくはやく……ゆっくりゆっくり、はやくはやく……
 俊介は速さに変化をつけてみた。
 ユマの最も敏感な場所も的確に攻め立てる。
 凹んだ箇所のやや上方につぼみがある。
 つぼみをひとさし指で丁寧にいじってみる。

「あっ……ああ……そこは……そこはダメ……いやぁ……」

 あまりに感じ過ぎて、思わず足を閉じようとするユマ。
 俊介はユマの股間に自身の足をこじ入れて、閉じられなくしてしまった。

「ユマ、閉じちゃダメだよ。まだ始まったばかりだから。もっともっといい気持ちにさせてあげるから」
「俊介ぇ……」

◇◇◇

 ラヴタイムのあとピロートークを楽しんでいると、いつの間にか広い窓から見えていた夕陽が沈んでいた。
 あっけなく深い闇が訪れ、ふたりをすっぽりと包み込んでしまった。
 部屋のあかりが灯ることはなく、フットライトの弱々しいあかりが二人のシルエットを映し出していた。



















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