Shyrock 作

官能小説『テンタクル・ガビー』



第1話

 未来は現在20歳でW大学の2年生。
 持ち前の美貌と利発さなどから、昨年はミスキャンパスにも選ばれたほどで、男子生徒からも大変評判が良かった。
 また勉学の傍らアルバイトでピアノの家庭教師をしている。

 その日未来はかなり疲れていた。
 ピアノのバイトが終わったあと、一人暮らしの未来はN市にあるマンションへと戻っていた。
 最近、レポートの作成で寝不足が続いていたこともあって、食事は有り合わせで済ませると、シャワーを浴びて十時頃にはベッドに就いていた。

 未来はいつしか深い眠りに落ちていた。
 そして奇妙な夢を見た。
 枕元に、黒いタキシードを着用し、黒いマスクを付けた一人の男が現れた。
 マントとシルクハットもつけており、まるでマジシャンのような姿をしている。

 男は告げた。

「うるわしの未来よ!そなたは我輩とともに闇の国へくるのだ。闇の国には、現世では得られないような不思議な快楽の世界がある。現世でそなたが得られる快楽には限りがある。現世の男たちがいくら尽くしても闇の国の快楽には敵わない。ふぁっふぁっふぁ~!」

 未来は驚きのあまり、自身の叫び声に驚いて突然目を覚ましてしまった。
 ところが起きた後、不思議なことに声が出ない。

(どうして?どうして声が出ないの……?)

「そんなに怯えるでない。我輩は闇の国から来たシャイラックと言うものだ。我輩はそなたの命を奪いにやって来たわけではない。そなたのその美しい肉体をしばしの間、借用したいだけだ」
 と言うやいなや、シャイラックと名乗る男は未来を軽々と抱きあげると、部屋の窓から飛び出していった。
 未来は大声で張り上げ助けを呼ぼうとした。
 だけどやっぱり声が出ない。
 まもなく未来の視界は真っ暗になり、意識も次第に薄れていった。


第2話

 未来は深い眠りから覚めた。
 いったいどれほどの時間が経過したのだろうか。
 気がつくと未来は鬱蒼とした洞窟のようなところにいた。

(ここはどこ……?)

 記憶を辿ってみた。
 マントの男に連れ去られた記憶が蘇ってきた。
 身体を動かそうとすると関節に痛みが走った。
 未来は目が覚めるに従って、自分の置かれている異様な状況に愕然とした。

 自身の身体が、まるでタコのような奇妙な怪物に抱きかかえられていた。
 しかも就寝時に着ていたパジャマはすべて剥ぎ取られショーツだけの恥ずかしい姿になっていた。
 ショーツはベージュ色のビキニタイプで、とてもシンプルなものであった。
 生地はオンゴザーメというガーゼ状でとても肌触りがよく穿き心地は最高級といわれてる。
 ただ、素材がかなり薄いため、透けて見えるのが少し恥ずかしいと未来は思っていた。
 オンゴザーメは先週彼とデートをした時に、ランジェリーショップに寄って彼に買ってもらったものだった。
 そして今日彼とデートの予定であった。
 未来は密かにオンゴザーメの恥ずかしい姿を彼に見せたいと思っていたのだった。
 だから今日着用してきたのだが、まさか、彼より先にそんな薄い下着姿を彼以外の人間に晒すことになろうとは……

 シャイラックはつぶやいた。

「未来、ようこそ、闇の世界へ……。ここはとても暗いだろう? まるで洞窟に見えるだろう? ふふふ、実はね、ここは太陽のない世界なんだよ。灯りは数本のローソクだけなんだ」

(うそっ!?)


第3話

 未来は叫ぼうとしたが、やはり声が出なかった。
 目の前にいるシャイラックという男に、昨夜連れ去られた時から出ないのだ。
 一体どうなってしまったのだろう。
 まさか魔法を掛けられたわけでもあるまいし。
 未来は、声を出したくても出せない辛さから、首を振ってシャイラックに訴えかけた。

「おや……?ああ、そうだったね。悪いけど声はしばらく出ないようにさせてもらったよ。ああ、でも、元の世界に戻ったら声はちゃんと出るからね。もっぱら戻れるかどうか保証の限りではないがね。ふふふふふ、君の声を封じたのは訳があるんだよ」

(そんな~~~!どうして私をこんな目に遭わせるの!?)

「実はね、彼がおびえるんだよ。ふぉっふぉっふぉっ。ああ、まだ彼を紹介をしてなかったね。彼を紹介するよ」

(彼?彼って私に巻きついているこの変な化け物のこと!?)

 まるでタコの触手のようなものが手足に巻きついているため、ちゃんと振り返れないが、どうも真後ろに触手の本体があるようだ。
 一体どんな姿をしているのだろうか。
 やっとの思いで未来は首をひねり振り返ることができた。
 未来が目撃したものはおよそこの世の生物とは思えないほどおぞましい姿をしていた。

(ぎゃあ~~~~~!! なによ~~~~~!! この気持ちの悪い生き物は~~~~!! ぎゃあ~~~~~!! 助けて~~~~~!!)

 手足に巻きついている触手から想像して大きなタコのようなものでは? と想像していたが、未来が目にしたものは身の毛もよだつような恐ろしい姿をした生物であった。
 それはまるでホラーSF映画に出てくるエイリアンのような姿をしていた。
 よく見ると身体のいたるところに無数の触手が生えていた。
 未来は驚愕のあまり泣き叫ぼうとした。

(いやあ~~~!!放して~~~!!気味が悪いよ~~~~~!!)

 全身を動かして逃れようとしたが微動だにしない。

「まあ、そう恐がらなくていいではないか。こいつは醜怪な姿をしているが、そんなに悪いやつじゃないんだよ。我輩がペットにしているぐらいだから。どうだ?可愛いだろう?」

(げ~~~!かわいくなんかないよ~~~!気持ち悪いよ~~~!!)

「名前を性魔獣『テンタクル・ガビー』と言う。ガビーと呼んでやってくれ。ところで、彼は何を食べて生きていると思う?ふぉっふぉっふぉっ~。実はね……」

(……?)


第4話

「ふぉっふぉっふぉっ、聞いて驚く無かれ。女性の愛液を飲んで生きているんだよ」

(マ、マジで!?う、うそ~~~!!)

「他のものは一切飲まない、食べない。いや、たまにハチミツを飲む事があるかな? そなたのような可愛い女性の愛液であれば、一口飲むと1か月は身体が持つんだよ。とても便利だろう?」

(うそぉ……まさか……)

「それにもうひとつ。そなたのような可愛くてチャーミングな女性と交尾すれば、彼の何本かのペニスは、異常なほど膨張するんだよ。ペニスは大小合計5本あるんだよ。ふぉっふぉっふぉ~。一番太い状態になると、それは人間の男など比べ物にならないほど……まあ、それはそなたの身体でもって体験してくれ給え。今、彼は約1か月餌を口にしていないので相当腹が減っているはずだ。愛液をたっぷりと飲ませてやってくれ!ふぉっふぉっふぉっふぉ~」
(冗談じゃないわ! 私の愛液を怪物に飲ませるなんて! そんなの嫌ぁ~~~! 絶対にダメぇ~~~!!)

 ガビーは急に2本の手を、未来の豊かな胸にあてがい激しく揉みはじめた。
 未来は怯える。
 
 ところがどうしたことだろう。最初は気味の悪さしかなかったが、次第に身体は順応し微妙な変化を見せ始めた。
 人間の男性に胸を揉まれるのとは、全く違う不思議な感覚。
 未来は早くも息づかいが荒くなっている。
 胴体を拘束する触手とは異なる別の触手が未来の両脚に絡みついた。

(きゃあ~~~!)

 太股にしっかりと巻きつき、両脚はグイッとVの字型に開かれてしまった。

(いやあ~~~!こんな恥ずかしい格好は嫌だよ~~~!)

 その頃、未来の最後の防御線でもあった薄い布切れは触手によって無残にも引き裂かれ床に散っていた。
 未来の恥丘下方を覆う陰毛は、きれいな逆三角形を呈している。
 さらにその下には、くっきりとした形状の1本の亀裂が走っていた。


第5話

 両脚に巻きついた触手は未来の両脚を扇のように広げた。
 渾身の力を込めて必死の抵抗を試みるが、触手はびくともしない。
 ガビーの甲羅のような硬い部分から2本の紅い触手が伸びてきた。
 大腿部に巻きついた茶褐色の触手とは明らかに違うものだ。

(シュルシュシュル~)

 触手の先端はまるで毒蛇の鎌首のようにエラが張っていて、見方によれば男性のペニスのようにも見える。
 3本の触手は蛇行しながら、見る見るうちに未来の下方を通り股間へと近づいていく。
 そして秘部の前でピタリと止まった。
 鎌首はピクピクと蠢き、ターゲットに狙いを定めているようだ。
 うち2本の触手がついに行動を開始した。
 ねっとりとした粘膜質の生命体が未来の陰唇左右を這い回る。
 気味の悪い感触が未来を襲う。
 おぞましさが身体を包み込む。

 未来は身震いした。

(ううっ、うううっ……)

 声にならない声でうめく未来。
 触手による愛撫は執拗につづく。
 いかに不快な相手であっても、性というものは不思議なもので時として快感に変わることがある。
 2本の触手の役割分担は決まっているようだ。右側の触手は陰唇の右側を、そして左側の触手は左の陰唇を丹念に愛撫する。
 未来の頬がみるみる紅潮しているのが分かる。
 2本の触手はシャイラックの合図と同時に、次の行動を開始した。
 今までは丹念に愛撫を繰り返していたが、それをピタリとやめ、陰唇を左右に割り拡げ始めたのだ。

「うぐうぐうぐっ!(な、何をする気なの!?や、やめてよ~~~!)」


第6話

 男性のペニスを細長くしたような形状の触手が未来の花弁を捕らえた。
 直径はわずか2cmぐらいなのだが、恐ろしく長い。
 触手は上下動を繰り返しながら、中へ中へと侵入して行く。

「うううっ!」

 未来の額には大粒の汗が滲んでいる。
 瞳を閉じ、唇を真一文字に結んでいる。
 その表情からは異形の怪物に犯される口惜しさがありありと窺える。

 未来は、明日、彼とのデートの予定であった。
 まさかそのデートの前日にこんな不幸に見舞われるとは、一体誰が想像しただろうか。
 明日彼と会えばおそらく愛し合っていただろう。
 彼に愛を注いでもらうべき秘密の花園を、こんな醜い怪物に踏み躙られることになろうとは……
 未来は恐怖と屈辱のため、気も狂わんばかりになっていた。
 だけど触手による陵辱劇は、まだほんの序章に過ぎなかった。
 触手は30分間、未来への陵辱を繰り返した後、見る見る間に膨張し始めていた。
 最初はわずか2センチほどの幹であったのが、いつのまにか6センチほどに大きく膨らんでいた。
 未来は怯えた。

「ふぉっふぉっふぉ~、驚いたようだね。驚くのも無理はなかろう。人間の男なら射精を繰り返せばペニスが膨張することなどあり得ないからね。むしろ萎縮していくのがふつうだろう。だがガビーは違う。美味しい蜜を吸えば吸うほどその栄養分で巨大化していくのだ。ふぉっふぉっふぉ~、まあ、それだけ美味かった証拠だよ。喜ぶべきことだ。ふぉっふぉっふぉっふぉ~」

「うううっ!ううう~っ!(冗談じゃないわ! 喜ぶなんて。それどころかこれ以上おおきくなったら私壊れちゃうわ! やめてよ! もう許して!!)」


第7話

 その頃、ボス級の触手のほか、いつのまにか数多くの細い触手が未来の股間に忍び寄っていた。
 その先端は二股に分かれており、まるでクリップのように小陰唇を挟み込み、花弁を拡げる役目を果たしていた。
 足を閉じられない状態で花びらを拡張されるという、女性にとって屈辱的な姿で未来は犯されつづけた。

 ボス級の触手は膣内でどんどん加速していく。
 その速さは人間の男ではとても真似ができないほどである。
 しかも太くて長い。

「うぐぐっ!うううっ~~~!!(いやあ~~~!だめ~~~!そんなに擦っちゃだめなのぉ~~~!!)」

 そしてついに、未来は失禁してしまった。
 無意識に放つ黄金色(こがねいろ)の聖水が未来を責め苛む(さいなむ)触手に降り注がれた。
 だが触手たちは聖水を注がれても全く意に介さない。
 逆に栄養を与えられたかのように、ボス級触手はいっそう激しさを増した。

(グチュグチュグチュグチュグチュ!!)

 結合の証でもある湿った水音が洞窟内に響き渡る。
 未来の悦楽の扉は開け放たれ、おびただしい蜜液を噴出させてしまっていた。

 未来は無慈悲な快楽に溺れそうになりながらも、残されているかすかな理性で触手から逃れようと試みる。
 だが太股に巻きついた触手は実に強力でびくともしない。

「ふぉっふぉっふぉ!逃げようとしても無駄なこと。せっかく触手たちがそなたに最高の悦びを与えようと懸命に努力しているのに、今ここで逃げて何とする!ここは触手たちに身をまかせて、快楽の沼に溺れてしまえばいいのだ!」

「うぐっ!うぐっ!ううっ!(あああ~~~!いやあ~~~!おかしくなっちゃう~~~!ああ~どうしよう~、あ、ああっ、いやっ!!)」


第8話

 未来は海老のように反り返って難から逃れようと試みたが、ガビーの胴体から伸びた数本の触手は、がっちりと未来の関節を捉えていて、身動きすら適わない。
 あまりの激しい快楽によって失禁してしまった未来。
 生温かいものが滴り落ちる。

 未来の感情など関知することなく突きまくるガビー。
 果てることを知っている人間の男とはまったく異なる。
 相手に呼応して高まって行く男女のまぐあいとは本質的に違うのだ。
 己の欲望のためにだけ触手を蠢動させる怪物。
 これが下等動物の本性なのかも知れない。
「ヌチャヌチャ」といった粘着性のある淫らな音が洞窟内にこだまする。
 花弁はガビーの恐ろしく太い触手に蹂躙されパンパンに腫れ上がっている。

 陵辱劇は約1時間続行された。
 そして未来はようやくガビーから開放された。
 いまだかつて経験したことのない不思議な快楽に叩き落とされた未来は朦朧としている。

(これで帰してもらえるのね……元の世界へ……)

 早く彼氏の待つ元の世界へ帰りたい。
 未来は薄れ行く意識の中で小さくつぶやいた。

「ふぉっふぉっふぉっ。未来、これはまだプロローグなんだよ。これからがいよいよ本番なのだ。ふぉっふぉっふぉ~」

 シャイラックは淫靡な笑みを浮かべて未来に告げた。

(そんなぁ……)

 信じがたいような陵辱の嵐は続いた。
 来る日も来る日も。
 未来は涙が枯れるほど泣いた。
 しかし、たとえ涙は枯れても、愛液の枯れる日はなかった。

(帰りたい……)

 この暗い洞窟を抜け出せるのはいつの日か。
 ふと未来はこの洞窟に出口が無いことに気づいた。


















inserted by FC2 system