物憂い春の午後には
ペットボトルをバッグに忍ばせ
街をさまよう
黄色く淀んだ
粘着質の空気をかきわけて
歩き続ける
陽炎と春風は
人々の吐息に汚されているのに
彼らは顔色ひとつ変えずに歩いている
こんな世界は見たくもない
僕が求めているのは
ギター弦の心
感性に輝き
ああ
意識を失うほどのワインを浴びれば
僕はこんなに苦しまないだろうに
物憂い春の午後には
瞳を閉じて意識を閉じる
暗黒の闇にすべては没し
人々は遠ざかる
立ち止まろう
もう歩き続けることもない
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