くらま 作

『僕の夏休み』

第1話

 5年生の夏だった。僕は両親に連れられて、南の島にバカンスに来ていた。
 貧乏サラリーマンだった僕の家がバカンスに来れた理由は僕には分からない。最初で最後のバカンスだった。

 両親はデッキチェアに一日中横たわり何もしない休日を満喫していたが、小学生の僕にはそんな時間の過ごし方など、まっぴらだった。
「今日は泳いでみようかな」
 昨日は一日中ボディーボードをしたけど、湾内だからあまり波が無い。面白いことは面白いのだが、さすがに飽きた。
 水泳部に所属していた僕は、泳ぎには自信があった。湾の中央部をスタートし、いけるところまで行って見よう。戻ってくる体力を考えて、15分泳いだら戻ろう。自慢のダイバーズウォチのベゼルをセットし、ゴーグルを付けた僕は泳ぎ始めた。
 平泳ぎで泳ぎ始めたんだけど、この泳法、苦手だ(^^;) 僕はクロールに切り替え、泳ぎ続けた。時折泳ぐのを中断し、プカプカ浮きながら自分の位置を確認した。まっすぐ進んでいるつもりでも、けっこう斜めに泳いでいた。
「また斜めだ」
 僕は方向を修正し、泳ぎ続けた。ひょいっと時計を覗くと、そろそろ15分経過していた。
「戻るかな」
 向きを変えて、戻ることにした。
 今度は顔を上げて泳ぎ始めた。顔を上げて泳ぐと方向は間違えないけど、疲れるなぁ。僕は顔上げクロールをやめ、普通に泳ぐことにした。
 もくもくと泳ぎ、自分の位置を確認した。あれれ? あまり進んでいないな。少しペースを上げよう。少しだけペースを上げた。距離があるから、体力の配分を間違えないようにしないと。
 帰りは行きと違い、なぜかあまり進まない。時間だけが過ぎていくのに、距離が縮まらないのだ。
「おかしい」
僕は立ち泳ぎで暫くとどまった。すると…
「流されてる! 潮に乗っちゃった?」
 ゆっくりとではあるが、岸から離れていくのだ。まずい。抜けないと。
 僕は真横に泳ぎ出した。潮の流れから逃れようと思ったのだ。
「ヤバっ!」
 慌てたからだろうか。脚がつった。浮き上がった瞬間、僕は波に巻き込まれていた。そのまま水中に沈んでいく。焦った僕は、致命的な間違いを犯した。思いっきり息を吸い込んでしまったのだ。意識がブラックアウトしていく。僕、死んじゃうのかな?

 意識が戻った。周囲はキラキラ輝いていた。綺麗だな。僕、死んじゃったのかな? 水死は苦しいって聞くけど、そんなこと無かったな。
 そのうちに、誰かに抱かれているのに気が付いた。顔を動かそうとすると、誰かとキスしていることが分かった。誰かの口から空気が送られて来ていたのだ。
 僕はキョロキョロと眼だけで状況の把握に努めた。僕と同い年ぐらいの…女の子みたいだ。彼女はニコッと笑ったらしい、唇の形が変わったのだ。
“間に合った”
 僕の頭の中に声が響いた。彼女の声なんだと僕は思った。
“君は?”
 僕も頭の中で問いかけた。通じるような気がしたのだ。
“ひかり”
“僕はくらま。ここは?”
“海の中”
“助けてくれたの?”
“うん”
 ひかりと名乗った女の子は、僕の背中に回した腕に力を込めた。
“つかまって。浮き上がる”
 僕はひかりの背中に手を回した。ぎゅ。
 次の瞬間、ものすごいスピードで上昇を始めた。すごいパワー。オリンピックの選手なのかな? 僕は間抜けなことを考えていた。どうやら、脳に酸素が行き渡っていないらしい。
 ざばっと海面から顔をだすと、ひかりの唇が僕の唇から離れた。僕は思いっきり息をした。生きてる!
「暴れないで!」


第2話

 ひかりの静止の声に、僕は動きを止めた。彼女が僕を抱きかかえて支えてくれていたのだ。
「ごめん」
 急に照れくさくなった。女の子と密着しているのだ。僕の胸には柔らかい感触が…。かぁーっと頬が赤くなったのが分かった。
「ありがとう。一人で浮けるよ」
「ほんと?」
 ひかりは僕から離れた。僕は立ち泳ぎを開始した。
「イテテ」
 つっていた脚は、まだ完全に回復していない。だるま浮きの体制で引っ張っていると、ひかりが反対側の手をささえてくれた。
 ありがとうと伝えたくて、彼女の方を向いた。彼女は水中でニッコリ微笑んでいた。シンクロ選手か?
 なんとか脚も回復し、僕は立ち泳ぎに戻った。ゴーグルを外した。目の前のひかりの顔を良く見た。カワイイ子だ。ひかりは心配そうに僕の腕を掴んでいた。
「助けてくれて、ありがとう」
「どういたしまして」
 僕が改めて御礼を言うと、ひかりはにっこり微笑んだ。八重歯がかわいい。
「でも、どうやって?」
 ひかりはアクアラングをつけてない。たしか、彼女の口から空気が…
 ひかりは微笑んだ。なんだか寂しそうだった。
「あたし、人魚だから…」
 僕の脇に大きな魚の尻尾が出てきた。
「人魚?」
 僕は間抜けな顔をしていたに違いない。その顔を見て、ひかりが笑い転げた。
「なにその顔ー」
「わ、笑うなよぉ」
 僕は恥ずかしくなった。ひとしきり二人で笑った後、僕はひかりに聞いた。
「ひかりのこと、見てもいい?」
「いいけど…」
 恥ずかしそう。少し赤くなったホッペがかわいい。
 ゴーグルを付けた僕は水中に潜り、ひかりのことを見た。腰から上は人間で、チューブトップのビキニを付けていた。腰から下は魚だったけど、尾びれ?はイルカと同じ横向きだった。
 潜って見ていると、ひかりも潜ってきた。
“じろじろ見ないでよぉ。恥ずかしいじゃない”
“ご、ごめん”
 僕は慌てて浮き上がった。ひかりも浮き上がってきた。
「ほんとにいたんだ…」
「内緒だよ。人間との接触は禁じられているんだから…」
 ひかりはバツの悪そうな顔をして、横を向いた。
「改めて、お礼を言わせて。ありがとう」
「どういたしまして」
 彼女の微笑が嬉しかった。
「空気中でも息できるんだね」
「うん。面白いでしょ?」
「面白いって言うより、不思議だ」
 僕は疲労を自覚していた。立ち泳ぎが辛くなってきた。
「ヘロヘロくんだね」
 ひかりは再び僕に抱きつき、支えてくれた。
「支えてあげる。これだから人間は…」
「ありがとう」
 立ち泳ぎを中断し、ひかりに身体を預けた。どうやって戻ろう?
「岸の近くまで連れてってげるよ。感謝するように」
「助かる…」
 ほっとした僕は、ひかりの次の言葉で息を呑んだ。
「水中を行くから、キスするよ」
「ほぇ?」
「人間は水中では息できないでしょ? 鼻の中まで空気で満たさなきゃいけないから、圧力が必要なのよね。ほら、チュ」


第3話


「むぐぐ」
 僕はひかりにキスされた。彼女の口から暖かい空気が流れ込んできた。
“いくよ”
 サバッと水中へ。横を向いた僕らは進み始めた。
 僕はひかりの背中に腕を回した。スピードがあるので、抱き合っていないとあおられる。
“イ、イテテ”
“?”
 僕はいま、女の子と抱き合ってるんだ。しかもキスしながら。その次の瞬間、僕のチンチンは勃起していた。海水パンツの中で勃起したため、ひっかかって痛い。
“どうしたの?”
“チンチンが…ひっかかった”
“?”
“ごめん、一度浮いて”
“いいけど”
 浮いてもらった僕は、チンチンの位置を直した。競泳用のパンツなので、先っちょがはみ出していた。
 ひかりは僕の手の動きを興味しんしんで覗いていた。次の瞬間、がばっと水中に潜り、海パンからはみ出したチンチンを観察していた。ひかりの視線を感じて、僕のチンチンはピクピクしていた。
「これなに?」
「チンチン。オシッコが出る所だよ」
 恥ずかしかったけど、僕は正直に答えた。
「さっきと形が全然違うよ? どっか悪いの?」
 ひかりの声は心配そうな響きが混じっていた。僕はひかりを安心させようと、こう答えた。
「どこも痛くないし、病気でもないから」
「そうなん?」
 おずおずと触るひかり。他人に触られるのは初めてだ。ドキドキする。
「こんなに腫れてるよ?」
「哺乳類の交尾って見たこと無い? イルカとかクジラの交尾…」
「見たことあるけど…」
 ひかりの顔が真っ赤になった。僕も真っ赤だった。
「これって、生殖器?」
「うん。オスの生殖器だよ」
 ひかりは僕の肩に顔をうずめた。そのままボソボソ話し続ける。
「おとうさんに聞いたことがある。哺乳類のオスは生殖器を大きくして、メスの生殖器に差し込むんだって。その先から精液を注ぎ込んで、メスの体内で卵子と受精させて…」
 ごきゅ。ひかりが唾を飲み込んだ。僕もドキドキだ。
「受精した受精卵は細胞分裂を繰り返して赤ちゃんに育っていくって」
「そうだよ」
 性教育の授業で習っていたので、僕にも彼女の言葉が理解できた。
「くらまは発情期なの?」
 下から見上げられて、僕は戸惑った。
「え?」
「発情期だから、生殖器が大きくなっているんでしょ?」
「違うよ」
 僕は人間について説明を始めた。
「人間の場合、他の哺乳類と発情期のスパンが違うんだ」
「どう違うの?」
「成熟した女性…メスだね。成熟した女性は1ヶ月に一度、発情期を迎える」
「ええっ?」
「女性がこのスパンだから、男性…オスはいつでも発情期状態なんだ」
「だからあんなに増えたのか…」
 ひかりは眉間にシワを寄せていた。
「否定はしないよ」
 僕は苦笑していた。


第4話

「オトコのチンチンはね、エロいことを考えたり、触ったりすると大きくなるんだ」
「じゃあ、くらまのコレも?」
「うん」
 僕は頷いていた。
「ひかりとキスしながら抱き合ったでしょ。意識したら、急に…」
「大きくなったの?」
「うん」
 自分の身体の一部だけど、意思とは関係ない動きをするチンチンが、疎ましかった。
「触っていい?」
「いいよ」
 ひかりは右手を伸ばしてチンチンに触れた。触られたチンチンはビクビクしている。
「ごめん、そろそろ限界」
 ひかりのことを引っ張り上げ、僕は言った。疲労が限界に達していた。きちんと支えてもらわないと、沈んでしまいそうだ。
 ひかりは再び僕に抱きつき、支えてくれた。いかん、意識が飛びそう。極度の疲労と緊張と恥ずかしさで、僕の意識は飛びそうだった。
「くらま?」
 僕の答えは言葉になったかどうか…。すうーっと意識が遠くなっていった。

「あれ?」
「おはよ」
 僕の視界に女の子の顔が飛び込んできた。ひかりだ。僕を助けてくれた人魚の少女だ。
「あ、ひかり?」
「そうだよ。気を失っちゃったから、砂浜まで運んであげたよ」
 僕の身体は砂浜に座礁しており、その脇にひかりがいた。下半身は水の中だけど、水温が高いのか寒くない。
「ここは?」
「秘密の場所」
 ひかりは悪戯っぽく微笑んだ。
「陸からは来れなくて、海からは見えない小さな入り江だよ」
 周囲を見渡し、自分の状況を確認した。ちょっとした天国だな、ここは。
「いいところだね」
 僕は身体の力を抜いた。背中を支える砂浜の感触が心地よい。
「でしょ?」
 嬉しそうなひかり。僕は思わず彼女を抱きしめていた。
「ありがとう」
「へへっ」
 ひかりが右手をチンチンの方に伸ばしてきた。握られた。はうっ。
「面白いね、これ」
「気持ちいい…」
 僕は至福の時を過ごしていた。カワイイ女の子が隣に居て、チンチンを握ってくれているのだ。
「気持ちいいんだ?」
「うん」
 僕のチンチンが解放してくれと悲鳴を上げていた。
「海パン脱ぐから、離れてくれる?」
「いいよ」
 僕は寝たまま海パンを脱いだ。頭の上に放り投げ、ひかりの右手をチンチンのところに誘導した。
 ひかりは抵抗することなく、チンチンを握ってくれた。
「教えて。どうすれば気持ちよくなるの?」
 身体をぴったり付け、ひかりが聞いてきた。
 僕はひかりの手の上に自分の右手を乗せた。そのまま上下に動かした。
「こうやって動かして」
「こう?」
 ひかりの手が上下に動き出した。ああっ、気持ちいい。


第5話

「そのまま動かして」
「うん」
 射精感が襲ってきた。もっと速く。僕の右手のペースがどんどん速くなる。
「ああっ!」
 僕は射精していた。今年の春に精通を迎えていた僕だけど、こんなに気持ちよい射精は初めてだった。
「なんか出てきた…」
「射精したんだ。精液だよ」
 それだけ言うのが精一杯だった。
 ひかりの手はまだ僕のチンチンを握ったままだった。僕が右手を離さないのだ。
「あ…」
「気持ちいいのね?」
 ひかりが右手をニギニギしてきた。射精直後のチンチンを刺激され、僕の全身がピクピクした。
「うん」
「かわいい」
 ひかりは僕の反応が面白いらしい。そのまま上下に擦り始めた。
「そんなにした…らぁ」
「どうなるの?」
 ぺろっと唇を舐めたひかりの仕草に、僕はものすごいエロさを感じていた。
「また出ちゃうよ」
「出してあげるね」
 僕の反応を見ながら、ひかりが右手を動かし始めた。自分でやるのとは違った快感だけど、もどかしい…。
 しばらくひかりにもてあそばれ、僕は再び射精していた。
「きゅー」
「また出たねぇ」
 お腹から胸にかけて、精液が飛び散っていた。ひかりの興味は精液に移ったらしい。
「これが精液?」
「そうだよ」
 ひかりは僕の身体の上に飛び散った精液を指で掬い取り、ニオイをかいでいた。
「不思議なニオイ…」
 そのままペロっと舐めた。
「うん?」
 しばらく味わっていたが、眉間にシワが寄ってきた。
「苦い…」
「舐めるから…」
 僕はそんなひかりの姿を見て、苦笑していた。飛び散った精液がヌルヌルして、気持ち悪い。
「海で洗った方がいいよ。僕も洗う」
 ひかりと僕は海に入った。精液を洗い流した僕たちは、再び砂浜に横になった。
「始めてみた。人間の射精」
「僕もヒトに出してもらったのは初めてだ」
「面白いモノをみたよ」
「とっても気持ちよかったよ」
 顔を見合わせた僕たちは、同時に笑い出した。
「ぎゅーってして」
 ひかりのリクエストに僕は答えた。初めて僕がひかりを抱いたことになる。
 僕はひかりの顎に手をかけ、上を向かせた。
「キスするよ」
 すこし考えてから、こう付け加えた。
「空気は送らないでいいからね」
「うん」
 眼を開けたままのキス。唇でひかりの唇をついばむようにしていると、ひかりの眼がトロンとしてきた。気持ちいいのかな?
 僕は思い切って舌を出してみた。舌でひかりの歯を舐めていると、ひかりの口が半開きになってきた。すかさず、舌を差し込む。
 このままひかりの口の中を舌先で探検していると、ひかりの舌がオズオズと僕の舌に触れてきた。僕はひかりの舌を捕まえた。ひかりの舌と僕の舌が絡み合う。



第6話

「はぁー」
 唇を離したひかりは、気持ちよさげなため息をついた。
「気持ちいいの?」
「わかんない…」
 ひかりの眼はトロンとしていた。
「でも、身体が浮いちゃいそう」
「ふふっ」
 僕たちは再びキスをした。貪る様に相手を求め合う。僕のチンチンは最大限まで勃起していた。
 僕はひかりの胸を揉んでいた。ひかりは仰け反って快感をあらわしていた。
「はぁー」
 いつの間にかビキニがずれ、生乳を揉んでいた。僕はビキニを脱がせると、ひかりの胸に顔を寄せた。まだ成長途上の乳首に唇をつけた。そのまま舌先で舐め、転がす。
「あ、あ、あ…」
 ひかりの声が途切れ途切れになってきた。感じているらしい。両方の乳首をまんべなく愛撫し、体中を撫で回した。
「ああっー」
 ひかりの身体がピーンと仰け反った。そのままピクピクしている。もしかして、イッちゃった? 僕はキスしながらひかりの身体を触っていた。
「どうしたんだろう…」
 ひかりが切れ切れにつぶやいた。
「すごく気持ちよくなって…」
「頭の中で何かが光った…」
「そのあとは…」
「覚えてない…」
 僕はひかりのホッペにキスすると、ギューって抱きしめた。
「かわいい」
「もう…」
 僕はひかりの髪の毛を撫でながら、こうつぶやいていた。
「イッちゃったの、初めて?」
「いぢわる…」
 回復したひかりが僕のチンチンを握った。そのまま上下に擦り始めた。
「今度はあたしね…」
「あのさぁ」
 僕はお願いしてみる気になっていた。聞いてくれるだろうか?
「くわえてくれる?」
「口で? 気持ちいいの?」
「きっと、気持ちいい」
 ひかりがおずおずとチンチンにキスしてきた。そのまま舌先で亀頭を舐め、小さな口でくわえてくれた。初めてのフェラに僕のチンチンは限界だった。
「出るっ!」
 警告の叫びを上げるまもなく、射精していた。口の中で突然出されたひかりは、むせていた。
「げほっ」
 口の中の精液を吐き出し、非難たっぷりの眼で僕を睨んだ。
「なにするのっ!」
「ごめん」
 僕は申し訳ない気持ちで一杯だった。自分の快感を優先してしまった。
 へこんでいた僕は、ひかりの言葉で元気になっていた。
「いきなりは吃驚したけど、とりあえず許す」
「ありがとう」
「くらまには、気持ちよくしてもらったからね。帳消しね」
「ごめんねぇ」
 僕は愛しさのあまり、ひかりを抱きしめていた。僕らは何度も睦みあった。僕の精液は底無しだったし、ひかりも何度でもイケた。潮が満ちてくるまで僕たちの二人きりの時間は続いた。
「そろそろ帰らないと…」
 僕は時計を見た。このままずぅーっと一緒にいたい。その思いを断ち切るように、僕は起き上がった。


第7話

「岸まで送る…」
 ビキニを付けながらひかりが言った。唇を噛み、泣きそうだ。
「また明日会える?」
「来なかったら、呪い殺してるところよ」
 僕たちは笑いあった。二人の恋は禁断の果実。もう戻れない。

 次の日。ブランチを済ませた僕は、再びビーチに来ていた。ゴーグルを点け、水に飛び込む。まっすぐ泳いでいれば、ひかりが必ず見つけてくれる。
 僕は何も考えずに泳いでいた。昨日と違い、少し波があるので泳ぎにくい。僕は苦手な平泳ぎに切り替えることにした。海を泳ぐのなら、こっちの方がラクだということは、経験から学んでいた。でも、クロールと違ってあまり進まない(^^;)
 しばらく泳いでいると、下のほうから何かが近づいてきた。視力が届いた。ひかりだ。昨日おぼれかかった僕を助けてくれた人魚の少女。そして、僕の大好きな女の子。
 ひかりは満面の笑みを浮かべながら、僕に抱きついてきた。僕は彼女を受け止めた。僕たちは抱き合い、キスを交わした。ひかりの口から空気が送られてきた。
 僕は幸せを実感しながら、力一杯抱きしめた。ひかりも力一杯抱きしめてくれる。
 僕はひかりをもっと感じたくて、彼女の口の中に舌を差し入れた。ひかりもすぐに応じてくれる。僕たちは舌を絡めあった。至福の瞬間。だけど次の瞬間…。
“イテテ”
 僕のチンチンが勃起してしまった。海水パンツにひっかかり、痛い。僕はチンチンの位置を直した。海パンから先っちょがはみ出した。ひかりのお腹と僕のお腹に挟まれ、気持ちいい。
“もう大きくしてる”
 ひかりの思念に僕も答えた。
“カワイイ女の子と抱き合って、キスしてるんだもん。大きくもなるよ”
“もう、くらまったら”
 微笑むひかり。微笑む僕。僕はたまらず叫んでいた。
“ひかり、好きだよ! 大好きだっ!!”
“あたしも好きっ! 大好きっ!”
 僕たちはキスをしながら沈んでいった。そのうちにたまらなくなり、ひかりの背中を撫で回す。ひかりも僕の背中を撫で回してくれる。僕たちは浮いたり沈んだりしながら、キスを続けていた。
 たまにひかりがのけぞり、唇が離れる。僕は慌てずにひかりが戻ってくるのを待つ。ひかりが戻ってきた。キス。空気と舌が入ってくる。僕はひかりの胸を揉みしだいた。ひかりがのけぞる間隔が短くなる。さすがに苦しくなってきたので、おとなしく抱き合うことにした。ひかりが尾びれを動かさないので、僕たちは沈んでいった。
 さすがに耳抜き2回の深度は、僕には寒い。僕はひかりに声をかけた。
“もう少し浮いてくれない? 少し寒い”
“ごめん。これぐらい?”
 さっきよりはかなり浅い。水温があがったけど、体温が元に戻るのにはもう少し時間がかかりそうだ。ひかりも気を使って僕の背中を水面に向けてくれた。
 背中を柔らかく暖める太陽の光と、抱き合ったひかりの体温が、冷えた身体に心地よい。
“ありがとう”
“大丈夫?”
 奪われていた体温が戻ってきた。僕は答えの代わりにひかりを強く抱きしめた。ひかりもそれに応じてくれた。今度はゆらゆらと尾びれを動かし、沈まないように気を使ってくれていた。
“昨日の入り江につれてって”
“うん”
 ひかりが僕をちらっと見た。僕は微笑んで答える。僕たちは移動を開始した。

 昨日の入り江に到着した。ひかりは僕を座礁させ、その脇に寝転んだ。
「到着だよ」
「ありがと」
 ホッペにキス。お礼のつもりだった。ひかりも少し疲れたらしい。肩で息をしていた。



第8話

「疲れた?」
「二人分だから、さすがに…」
 僕はひかりの髪を撫でていた。水中では僕の足はひかりに敵わない。しばらくしたら、ひかりの疲労も治まったらしい。
「もう平気…」
 僕は改めてひかりを抱いた。ひかりも嬉しそうに抱かれている。僕たちは見つめあい、キスをした。今日始めての空気中でのキス。僕はしばらく唇を味わうと、舌を差し込んだ。ひかりもすぐに応えてくれる。
「イテテ」
 僕のチンチンが解放してくれと騒いでいた。僕は邪魔な海パンを脱ぎ捨てた。ついでに、ゴーグルもむしりとる。
「あたしも…」
 ひかりがビキニを脱ごうとするのを、僕は止めた。
「僕にやらせて」
「恥ずかしいよぉ…」
 僕はひかりに上体を起こしてもらった。手を背中に回し、ホックを探した。ぱちん。なんとかホックを外し、ビキニを外した。プルンと乳房がこぼれ出る。
「いゃーん」
 ひかりは両手で胸を隠した。そんな仕草が愛しくて、僕はひかりを抱きしめた。
「綺麗だよ。見せて」
「恥ずかしいんだってば…」
 ひかりを寝かせ、僕は上から見ている。ひかりはなかなか手をどけてくれない。僕はひかりの手をどけた。発達途上のオッパイが現れた。とっても綺麗だ。
「綺麗だ…」
 僕はひかりのオッパイに顔を寄せていった。ひかりはカチンコチンに緊張している。
「舐めるね」
「う…ん」
 小さな乳首に唇を寄せる。まずはキスから。唇でついばむようにしていると、ひかりの身体がクネクネ動いた。
「気持ちいいの?」
「うん。ぞくぞくするぅ」
 そんなひかりの姿が僕の興奮をさそった。
「じゃあ、これは?」
 僕はひかりの乳首を舐め始めた。反対の手でオッパイをもみしだく。
「あ・あ・あ…」
 ひかりの声が途切れ途切れになっていく。僕はひかりに感じて欲しくて、いろいろとやって見た。両手でオッパイを揉みながら、舌先と唇で乳首を刺激してあげるといいみたい。僕が愛撫を続けていると、ひかりの身体がピーンとのけぞった。そのまま全身がピクピクしていた。どうやらイッちゃったらしい(^^)
「あふぅー」
 やっとひかりが戻ってきた。僕をやさしく押し倒し、上からひかりが覆いかぶさってきた。
「やったなぁ…」
「へへぇー」
 余裕たっぷりの僕の態度もここまでだった。キスしたひかりの唇が首筋の方に移動したのだ。うわっ気持ちいい。ひかりの舌先が僕の首筋を這い回る。あごから耳にかけて舐め上げ、耳の中に舌先を差し込んだ。そのままくちゅくちゅと舐められる。
「あ…ん…」
 僕が上げた歓喜の声に、ひかりが敏感に反応した。
「ふふっ、女の子みたい…」
「だってぇ…」
 僕の口調もなぜか女の子。どうして? 僕の疑問はどこかに飛んでいった。ひかりが愛撫を再開したのだ。耳の中を舐め始め、再びあごの方へ下りて行く。空いた両手は僕の胸からお腹の辺りを這い回る。
「きゃうっ」
 乳首を触られると、思わず声が出た。オトコも感じるらしい。
「かわいー」
 ひかりは感じている僕の姿をみながら、ぺろっと舌なめずりした。僕はそんな彼女を見て、ゾクゾクした。食べられちゃう。


第9話

「舐めたらどうなるのかなぁ?」
「ダメだった…らぁ」
 ひかりの唇が乳首に吸い付いた。そのまま唇で愛撫される。とっても気持ちいいけど、ゾクゾクするよ。僕は未知の快感を受け入れようとしていた。ものすごく気持ちいいハズだから。
 ひかりは舌を出し、僕の乳首を舐め始めた。僕の身体がビンビン跳ねる。
「気持ちいい?」
「うん」
 僕は自らチンチンを握り締めていた。そのまま上下に擦りだす。
「だめよ、擦っちゃ」
 ひかりが優しいけど強い口調で僕を制止した。そのまま僕の手を剥がす。
「擦りたいんだってぇ。お願いー」
 僕は悲鳴を上げていた。ひかりは軽く笑って僕のことを見下ろしていた。
「さわっちゃダメよ。さわったら、もう擦ってあげないよ」
「そんなぁ」
 僕はあられもない悲鳴を上げていた。チンチンを擦りたくて、腰がビンビン跳ねていた。
「ふふっ」
 ひかりは軽く笑うと僕の乳首への愛撫を再開した。乳首から胸。胸から脇腹。脇腹からお腹。ひかりの舌が蠢くたびに、僕の快感は増していた。
「お願い、いかせてぇっ」
「だーめ」
 ひかりの愛撫を受けているうちに、僕は射精していた。チンチンへの刺激ナシで射精するのは初めてだった。
「こら、誰が出していいって言った?」
「んなこといったってぇ」
 僕は気が狂いそうだった。射精したけど、中途半端なのだ。
「お願い! チンチンさわって! お願い!」
 僕の必死のお願いをやっとひかりが聞いてくれた。チンチンを握り、上下に擦ってくれたのだ。
「よくガマンしたねぇ」
 ひかりは僕のチンチンを擦りながら、ニッコリ微笑んだ。
「気持ちいいよぉ」
 僕は射精していた。腰から身体から、全てがピクピク痙攣している。
「もっと擦って!」
「こうかな?」
 射精は長く続いた。僕は大量の精液を噴き上げた。ひかりが玉をいじり始めた。
「あ、あ、またいくぅ」
 新たな刺激をうけ、再度射精した。僕は快感のあまり、すぅーっと意識を失っていた。

「あ…れ?」
 意識を取り戻した僕に、再び快感の嵐が襲い掛かった。チンチンが暖かいもので包まれていたのだ。顔を起こして見て見ると、ひかりがフェラしてくれているのが分かった。
「汚いよぉ」
「くらまのだから、汚くないよ」
 ひかりは僕のチンチンから顔を上げた。射精直後のチンチンをフェラしてくれたのだ。僕は愛しさのあまり、ひかりを抱き寄せた。そのまま深くキスをする。遠くで精液のニオイがした。あれれ? 全然イヤじゃないのはなんで?
「今度は口で気持ちよくしてあげる」
「いいの?」
 ひかりはにっこり微笑んだ。
「口の中で出してもいいよ」
「え?」
 思いがけない申し出だった。
「出すときは言ってね」
「うん」
 すっぽり口で包まれ、舌先が亀頭を刺激する。口をすぼめて上下にジュポジュポ。手で玉と竿を刺激されたら、もう限界だった。
「で、出るっ!」
 僕は叫んでいた。申し訳ない気持ちに包まれながら、ひかりの口の中に射精した。
「すごい量…」
 ひかりは口の中の精液を吐き出した。そのまま海中に入り、口をゆすぎ始めた。僕も海中に入り、体中に飛び散った精液を洗い流す。
 僕たちは砂浜に寝転がった。どちらからともなく手をつなぎ、並んで空を見ていた。


第10話

 がばっとひかりが起き上がり、自分の腰の辺りを見ていた。その様子が尋常じゃなかったので、僕もすぐに覗き込んだ。
「!?」
 僕が見た光景は衝撃的なものだった。本来は魚であるひかりの下半身の一部のうろこが無くなり、人間の肌のようになっていたのだ。
「これって、ヤバイのっ? 空気中に居すぎたから? 水に入った方がいいのかっ?」
 慌てて聞いた僕のことを、ひかりは優しく抱きしめた。おいおい。落ち着いてる場合じゃないだろ。
「ひかりね。オンナになったんだよ」
「?」
 ひかりは戸惑いながら教えてくれた。
「あたしたちマーメイドはね、発情期になると下半身のうろこの一部が肌に変わるの」
「発情期? オスの受け入れ準備がOKになった?」
「うん」
 ひかりは複雑な表情だった。でも、嬉しそう。
「これってどれぐらい続くの?」
「個人差あるから…」
「そっかぁ」
 ごきゅ。僕はひかりに聞いた。
「見てもいい?」
 ひかりは暫くためらっていたが、コクリとうなづいた。
「いい…よぉ…」
 僕は再びひかりの下半身を覗き込んだ。肌エリアは、へその下から人間でいうとフトモモの中間ぐらいまで、逆三角形だった。左右が山になっており、中央部がへこんでいる。なんだか、人間の女性が脚を揃えて寝ているみたいだ。
 へその下、人間で言うと股間の辺りに、タテスジが見えた。どうやらコレがひかりの性器らしい。僕は始めてみる女性の性器にすぅーっと引き寄せられた。
「これが、ひかりの?」
「うん。生殖器」
 僕は観察を続けた。よく見ると、タテスジは一本ではなかった。外側のひだと内側のひだの間に一本ずつ入っている。
「触るよ」
「ん」
 ひかりの下半身にまたがり、オズオズと指を伸ばした。指の腹で撫で回してみた。ぷにぷにと形が変わるたびに、ひかりの身体がピクンと動く。
「開くね」
「…」
 僕は指で左右に開いてみた。サーモンピンクの綺麗な部分が顔を出した。どうやら、ここにチンチンを入れるらしい。
 僕は顔を寄せ、ニオイを嗅いだ。なんともいえない芳香だ。その香りが僕の脳に達した瞬間、僕の背筋を戦慄が駆け抜けた。
 僕は舌を出してひかりの性器を舐め始めた。外側のビラビラを舐め、指で広げた内側にも舌を這わせた。ひかりは小さく声をあげながら、ピクピクしている。チンチンを舐められた僕と同じか、それ以上に気持ちいいらしい。
 割れ目の上の方のぷくっとした部分に舌が触れると、ひかりの身体がビンビンはねた。ここが気持ちいいポイントらしい。僕はそのポイントを集中して舐め始めた。
 舐めながら指で割れ目をいじっていると、なんだか指先がぬるっとしてきた。舐めるのを中断し割れ目を確認すると、シットリ湿ってきたらしい。
「なんだか、ぬるってしてきたよ」
「恥ずかしいよぉ…」
 割れ目の入り口あたりを指の腹でやさしく押してみた。ぬぷっ。僕の指は割れ目に吸い込まれていった。
「指で押してみたけど、痛くない?」
「平気みたい…」
「痛かったら言ってね」
「うん」
 力加減が分からない。僕は少しだけ力を入れてみた。まだ平気みたいだ。指を少し入れたまま、前後に動かしてみた。もう少し強くしても平気なのかな?
「少し、イタイ…」
「ごめん」
 指では刺激が強すぎるみたいだ。僕は舌に切り替えることにした。舌先を割れ目の中に押し込み、くちゅくちゅしてみた。





















第11話

「あ…」
「きつい?」
 ひかりは軽く首を振った。
「平気…」
 指先再投入。僕は舌と指先でひかりの性器を愛撫した。やさしく、やさしく。
「ひかり」
「ん?」
 ひかりはトロンとした眼で答えた。気持ちはいいみたい。
「どうすれば気持ちいいの?」
「分かんないよぉ…」
「もっと気持ちよくなって欲しいんだ。恥ずかしがらずに教えてよ」
「だって…」
 ひかりの声はとても小さかった。
「初めて…なんだもん…」
「!!」
 僕は頭の中ですばやく計算した。
「発情期が始めてってことは…。性器が露出したのも初めてってこと?」
「うん…」
 僕はひかりを抱きしめていた。
「ねえ、ひかり」
「ん?」
「僕、ひかりのこと好きだよ」
「あたしも好き。大好きだよ」
 ごきゅ。僕は全ての勇気を振り絞った。
「僕、ひかりとSEX…じゃなかった、交尾したいな」
 ひかりがぎゅーって抱きついてきた。
「ひかりも。でも…」
「でも?」
「少し…怖いな…」
「痛かったらすぐやめるから」
「うん…」
 僕はひかりにキスしたくなった。
「舐めたばっかだけど、キスしていい?」
 ひかりは唇を押し付けてきた。そのまま舌が入ってくる。しばらく舌を絡めあった後、僕たちは離れた。
「ひかり、どこに入れるのか教えて」
「ん…」
 ひかりが上体を起こすのを手伝った。ひかりは自らの指で割れ目を広げ、僕に示してくれた。
「ここ」
「ここに僕のチンチン、入れていいね?」
「入るかなぁ」
「うーん」
 ひかりの割れ目は小さかった。インターネットでみた女性の割れ目とは大違いだ。
「あたし、くらまに入れて欲しい…」
「やってみるね」
 ちゅ。僕はひかりを寝かせると、性器への愛撫を再開した。舌先でペロペロして、その後を指先でプニプニする。割れ目の中からはじわーっと液体が出てきたけど、少ないみたい。僕はひかりの反応を伺いながら、感じるポイントを探した。
「あっあぁー」
 割れ目の上のほうのぷくっとした部分が、一番反応が大きかった。これ、なんて言ったっけ? 僕は頭の中の引き出しを片っ端から開けていた。
 舌先でぷっくりオマメを愛撫しながら、パソコンのキーを叩く感じで指先(右手・人差し指)を割れ目に浅く侵入させる。僕はキータッチが強い方なので、弱いタッチを心がけた。
 左手の指先を舐め、割れ目の外側をサワサワした。ひかりの身体がクネクネ動く。感じてきたらしい。
 ぷっくりオマメ…クリトリスだ! 僕は突然思い出した。僕はクリトリスへの愛撫を続けた。確か、興奮すると女性も勃起するって読んだ様な気がする。僕は舌を外し、クリトリスを観察した。うーん、よく分からないぞ(^^;) 僕は再び舌をつけた。ペロペロ。



第12話

 割れ目の中の潤いが増してきた。僕は舌先を割れ目に差し込み、手当たり次第に舐めてみた。あ、じわっと出てきた。
「どこが好き?」
「全部…」
 ひかりはトロンとしている。
「でも、一番気持ちいいのは…」
 指でクリトリスを指した。
「ここかな」
「クリトリスだね」
「なにそれ?」
「ここの名前…」
 僕は割れ目から流れ出る愛液で指先を濡らし、クリちゃんを撫でた。
「きゃん…」
 ひかりは吃驚しただけらしい。痛くはなさそうだ。僕は少し指で撫でた後、舌先での愛撫を再開した。
「あ、あ、あ、あ…」
 ひかりの声が途切れ途切れになってきた。僕は舌先と指先を忙しく動かし続けた。
「ん、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 ひかりの身体がピーンと仰け反った。今までで一番大きな反応だった。僕の顔と手を払いのけ、身体を丸めてしまったのだ。
「かわい…」
 僕は背中から抱きついた。抱きついただけなのに、ひかりはすごい反応を示した。
「きゃうー」
「え? どうした?」
 僕は不安になった。急に具合が悪くなったのかな?
「離れてぇー」
 僕は慌てて離れた。大丈夫かなぁ…。ひかりの顔を恐る恐る覗き込んだ。ひかりはしばらく荒い息をしていたが、治まってきたらしい。
「心配…かけて、ごめん」
「大丈夫なの?」
「うん」
 ひかりは身体を伸ばして仰向けになった。僕は心配顔で覗き込む。
「さっきね、すごく気持ちよかったの」
 ひかりは嬉しそうだ。
「だけど、触られてると…どうにかなっちゃいそうだった」
 ひかりが下から僕を呼んだ。僕は恐る恐る抱きついた。
「ありがとう、くらま」
「どういたしまして」
 僕はやっと安心した。快感の波が強すぎて、敏感になりすぎていただけみたい。僕はキスした。そのまま舌を差し込む。ひかりも答えてくれた。僕たちのキスは長く続いた。
「ねえ、くらま…」
「ん?」
 ひかりの眼には、強い決意が光っていた。
「あたしに…入れて」
「いいんだね?」
「うん」
 僕たちは再びキスをした。しばらくキスしながらお互いの背中を撫で回し、僕たちは離れた。
「痛かったら、直ぐに言ってね」
「うん」
 僕はひかりの性器を舌で舐めた。割れ目の中を重点的に舐め、少しでも潤いを補充する。
「いいかな?」
「うん」
 ひかりは小さく震えていた。ホッペにキスし、抱きしめる。僕はひかりをまたぎ、チンチンを割れ目にこすり付けた。
「はぁうーん」
「気持ちいい」


第13話

 僕たちは快感に包まれていた。しばらく、この世のものとは思えない快感を堪能する。こすり付けているうちに、射精感が襲ってきた。こらこら、まだ早いって…。
「ごめん…出ちゃった…」
 僕はバツが悪かった。ひかりはニッコリ笑って抱きしめてくれた。
「気にしないで」
 僕はひかりのホッペにキスすると、チンチンを握った。射精直後だというのに、最硬度を保っていた。ひかりの割れ目にこすり付けていると、少しへこむ箇所があった。ここかな?
「ここ?」
「たぶん…」
 膝と肘を地面に付き、ジワジワと腰を進めていく。少し入っては戻り、少し入っては戻る。僕のチンチンは快感に耐えられず、なんども暴発した。
「痛い?」
「大丈夫…」
 ひかりは痛くなさそう。そろそろ、僕の体力も限界に近い。もう少しだ。ふぁいと。チンチンを押し戻す強い抵抗が、急に無くなった。僕はジワジワと侵入する。亀頭だけでなく、竿も満遍なく圧迫されている。
「入ってきた」
「もう少し入るよ」
 僕はチンチンを押し込んだ。僕のチンチンは根元まで入った。ひかりに抱きつき、身体中でひかりを感じた。
「痛くない?」
「平気…」
 ひかりのウソは直ぐにバレた。でも、気づかないフリをした。しばらくじっとしていると、ひかりの膣内が僕のチンチンをジワジワ刺激してきた。
「あ、気持ちいい」
「あたしも…」
 ひかりは僕にキスをして、こう言った。
「動いて…」
「痛かったら、直ぐに言ってね」
「うん」
 僕はチンチンの抜き差しを開始した。これが…SEXなんだ。僕は快感と感動に包まれていた。
「あ、あ、あ、」
「あ、あ、あ、」
 僕とひかりの声がかぶった。僕は本能的にスピードを上げていく。
「とっても気持ちいい…。痛くない?」
「平気だよ。ひかりも気持ちいい」
 僕の腰は全速だった。ひかりのことを気遣う余裕は全く無い。僕は思いっきり射精していた。
「あうっ」
 僕はひかりの一番奥で射精した。がくっと力が抜けてひかりの上に倒れこんだ。
「はぁー」
 ひかりが気持ちよさげなため息をもらした。僕は悪いと思いながらも、ひかりに身体を預けていた。動けなかったのだ。
 しばらくじーっとしていると、ひかりの膣内が僕のチンチンをギューって締め付けてきた。物凄い快感だ。
「締め付けてるぅ」
「ふふっ」
 ひかりは少し余裕が出てきたらしい。サワサワと僕の背中を手が這い回る。
「くすぐったいよぉ」
 射精直後なので、全身が敏感になっていた。僕はクネクネ逃げ回る。
「くらま、かわい」
 僕たちはキスを交わした。思いっきり舌を差し込み、深く味わう。
「あれ、また…」
 僕のチンチンは再び臨戦態勢になっていた。そろそろと抜き差しを開始する。
「このまま2ラウンド目に入っても、いいかな?」
「うんっ」
 ひかりの腰が僕を呼んだ。僕は徐々にスピードを上げ、腰を打ちつけた。
 ひかりは僕の背中にしがみつき、僕はひかりの背中を強く抱いていた。僕たちは全身で相手を感じていた。




第14話

「ひかり、愛してるよ」
「あたしも。あたしも、くらまを愛してる」
 僕たちの2ラウンド目は、長く続いた。
「痛くない?」
「平気。もっと来て…」
 僕は思いっきり腰を振っていた。ひかりも下から突き上げる。
「あ、あ、あ…」
「あ、あ、あ…」
 僕たちの声が重なる。そろそろ出そうだ。
「出るよ、出るよ、出るよ」
「来て、来て、来て」
 僕は思いっきり射精していた。
「ううっ…」
 全身の力が抜け、ひかりの上にどさっと落ちた。心地よい脱力感に包まれ、僕は幸せだった。
「はぁー」
 ひかりは僕の背中を撫で回していた。たまに僕の身体がビクッて反応する。

 僕は肘を使って自らの体重を支えた。そして、ひかりにキスをする。ちゅ。
「気持ちよかったよ」
「あたしも」
 僕はひかりに謝った。
「ひかり、イケてないでしょ。ごめんね」
「いいの。気にしないで」
 ひかりは幸せ一杯の笑顔で僕に笑った。僕は少しだけ心が軽くなった。
「でもさぁ…」
「イクのは気持ちいいけど、くらまと交尾するほうが、もっと気持ちいいし幸せなんだよ」
 ひかりはぎゅーっと抱きついてきた。
「くらまとの交尾、大好き」
「僕も」
 僕たちはしばらく抱き合っていた。硬度を失ったチンチンが、ぬるっと押し出されて出てきた。
「あ、行っちゃいや」
「押し出しといて、それは無いでしょう」
 僕たちは笑いあった。まだ何もする気になれなかったので、ひかりの横に寝転がった。

「やーん、出てきたぁ」
 ひかりが海に入り、割れ目を洗い始めた。指を差し込み、中から精液をかき出している。興味があった僕は、上から覗き込んだ。覗き込んでいるうちに勃起していた。
「くらまも洗えば?」
「うん」
 僕は素直に洗い始めた。性器と身体を洗い終わった僕たちは、再び砂浜に横になった。空を見ながら手をつないだ。あ、背中が吸われる…。僕はすぅーと寝付いていた。

 僕は目覚めた。ひかりと手を繋いだままだ。どれぐらい眠っていたのかは分からないけど、爽快な目覚めだった。
「うにゃ?」
 僕が動いたので、起こしてしまったらしい。ひかりがごそごそ動き出した。
「ごめん、起こしちゃった?」
「うん。でも、らいりょーぶ」
 寝ぼけている(^^;) 僕はひかりのカワイイ姿をじっくり観察した。ひかりはだんだん覚醒してきたらしい。
「へへっ。くらまだ」
「うん。いるよ」
 何気ない会話。でも、かけがえのない幸せな時間。
「くらま、キスして」
「ん…」
 僕はキスした。唇を合わせるだけの、軽いキス。ひかりが抱きついてきた。
「もっと…」


第15話

 僕は再び唇を合わせた。舌でひかりの唇をなぞっていると、直ぐに開いた。僕が舌を入れるより先に、ひかりのほうから差し込んできた。僕たちのキスは長く続いた。いつの間にか勃起していた僕は、チンチンをひかりのお腹にこすり付けていた。
「くらま、もう一回…しよ」
 僕は返事の代わりに愛撫で答えた。首筋から耳にかけて舐め上げ、耳の中へ。舌先でくちゅくちゅすると、ひかりがクネクネ動いた。
「ぞくぞくするぅー」
 たまに息を吹きかけてみた。感じているひかりが嬉しくて、僕は両手を動員した。片手は脇腹を這い回り、片手はオッパイをサワサワした。
「はあー」
「痛くない?」
「平気。もっとして」
「うん」
 僕は唇と舌先で、ひかりの全てを愛撫した。両手の指先も動員する。
「あ、あ、あ…」
 ひかりは小さな声をあげていた。お腹を舐めている時、おへそが目に入った。僕はためらい無く舌を伸ばした。くちゅくちゅ。
「おへそだよぉ」
「おいしいよ」
 しばらく舐めた後、下に下がった。べろん。僕は割れ目を舐めた。
「はぅーん」
 指先で割れ目を開き、内側に舌を差し込む。くちゅくちゅ。そのまま舐め上がり、クリトリスをキャッチ。ぺろっ。
「きゃん」
「きつい?」
「少し。でも、気持ちいいよ」
「もっと気持ちよくなって」
 僕はクリトリスを舐め続けた。右手の指先で割れ目の入り口辺りを愛撫する。じわじわと進入させてみたけど、ひかりの反応はあまり変わらない。僕は手をひっくりかえし、上側の壁を刺激することにした。
「今度は反対側ね」
「あ、あ、あ…」
 手のひらをひっくり返した状態で中指を奥までさしこみ、反対の手でワレメをサワサワ。舌先はクリちゃんを舐め続けた。
「あ、あ、あーーー」
 ひかりがイッた。今回は跳ね除けられなかったので、柔らかい愛撫を続けた。ひかりは感じ続けている。
 僕は愛撫を続けた。指の深度とスピードを徐々に早くし、舌先の動きを大胆にしていく。
「いかない…。いかないじょ…」
 僕は軽く笑った。そうは…させない。指先のスピードを上げ、舌先でクリちゃんを舐めまくる。左手で割れ目をサワサワする。
「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 ひかりは再びイッた。今度は僕の顔と手を跳ね除け、丸まってしまった。
 しばらくひかりの姿を観察した。たまにビクンと身体が跳ねる。今回は大波だったらしい。
「気持ちよかったぁ」
 ひかりは身体を伸ばし、仰向けになった。僕を捕まえ、引き寄せる。
「くらま、来て…」
「うん」
 僕はひかりにまたがった。抱き合い、キスをする。お互いの舌を味わいながら、チンチンを割れ目に擦り付ける。
「はぅーん」
「気持ちいい」
 こすり付けているうちに、ぬるっと入った。僕はジワジワと進入を開始する。
「入ってきたぁ」
「もっと入るよ」
 腰を押し付け、一番奥まで入った。ひかりの膣内がきゅっと締め付けた。僕はしばらく堪能した後、そろそろと動き始めた。だんだん動きが激しくなり、唇が離れた。
「くらま、くらま、くらまぁ!」
「ひかり、ひかり、ひかり!」
 僕たちは互いの名前を呼び合いながら、SEXをした。気持ちよくて、幸せだった。


第16話

「あ、あ、あ…」
「あ、あ、あ…」
 僕たちの声が重なる。僕はそろそろ限界だった。
「そろそろ限界…。出すよ」
「うん。来て」
 フルスピード。二人の身体が跳ね回る。僕は思いっきり射精していた。
「ううっ」
 がくっと力が抜けた。僕はひかりの上にどさっと落ちた。
「くらま、大好き」
「僕も。大好きだよ、ひかり」
 ひかりの両手が僕の背中を優しく這い回る。少し回復した僕は、ひかりとキスをした。唇だけの軽いキス。肘を使って自らの体重を支えた。
「重くないよ」
「ありがと」
 僕はひかりに預ける体重を少し増やした。密着が気持ちいい。しばらくじーっとしていると、硬度を失ったチンチンがぬるっと押し出されてきた。
「行っちゃった」
「出されちゃった」
 僕はひかりの脇に仰向けになった。僕らは手を繋いだまま、空を眺めていた。
「明日も…会えるよね?」
 ひかりの問いかけに、僕は身体を起こした。ひかりの眼を見て答えた。
「昼の飛行機で帰るんだ。明日は会えない」
 ひかりの眼に悲しみがあふれた。僕も泣きそうだ。
「じゃあ、次はいつ?」
 泣き始めたひかりを抱きしめた。
「約束は出来ない」
 僕も泣いていた。
「でも、いつか、必ず」
「そんなのヤダよぉ。ずっと一緒にいたい…」
 僕たちは泣き続けた。ずっと泣いていた。

 僕が思い出の島に再び降り立ったのは、大学二年の夏休みだった。高校の時からバイトにバイトを重ね、やっと渡航費用が捻出できたのだ。今回の滞在は1週間の予定。でもこの1週間で、僕の貯金は底を付く。それでも構わないと思っていた。
 空港に降り立った僕は、街に出ていくつかの用事を済ませた。用事はなんとか完了し、昼食を食べた。宿のチェックインにはまだ時間があるな。僕は荷物をコインロッカーに預けると、水着に着替えてビーチに向かった。
 シーズン真っ盛りなのに、ビーチには誰もいない。海の家すらない小さなビーチなのだ。誰もいないビーチで僕は入念に身体をほぐした。それが終わると、ゴーグルをつけ海に入った。ゆっくりと沖に向かって泳ぎだす。
 ひかりは、5年生の僕を助けてくれた人魚の少女は、僕のことを見つけてくれるだろうか? 永遠の愛を誓ったあの時とは、僕の体型は別人である。当然、水中を進む音も違う。でも僕は奇跡を信じていた。1週間毎日泳いでいれば、必ず見つけてくれる。見つけられる前に海に呑み込まれないようにしないと。
 僕はゆっくりと平泳ぎで沖を目指した。どうやら、潮の流れはあのときのままらしい。帰りの体力を計算しながら泳ぎ続ける。
 3往復した。さすがに、そろそろ限界だ。もう1往復したら、今日はあきらめよう。僕はそう決めた。

「?!」
 何かが海底のほうから近づいてきた。視力が届いた。人魚の女の人だ。僕は浮きながら彼女の顔を見た。ひかりだろうか? 僕は何度か息衝きをしながら彼女の顔を見ていた。彼女も下から僕のことを見ている。密着していないので、思念で会話できない。
 2人の距離は徐々に縮まってきた。彼女が近づいてきてくれたのだ。彼女の顔がはっきり見えた。美人というより、カワイイ系の顔立ちだった。
“ひかりだね?”
 僕は届かないのを承知で思念を送った。僕の思念が届いたのだろうか? 彼女が手を伸ばしてきた。僕たちはそっと手を握り合う。
“くらま? くらまなのね?”
 触れ合ったので、彼女の思念が届いてきた。
“ひかりぃ!”



第17話

 僕はひかりを抱き寄せた。僕たちは固く抱き合った。そのままキスする。ひかりの口から空気が送られてきた。
“会いたかった”
“僕だって”
 僕たちは失われた時間を取り戻すかのように、固く抱き合った。言葉がうまく出てこない。僕たちはキスしながら沖を目指した。どちらからともなく舌を差し込み、より深く相手を感じ取ろうとした。たまらなくなった僕はひかりの背中を撫で回す。ひかりも僕の背中を撫で回した。
“イテテ”
 海水パンツの中で勃起してしまい、僕のチンチンが引っかかった。手をつっこみ、位置を直した。競泳用のパンツから先っちょがはみ出した。僕のお腹とひかりのお腹の間で挟まれる。気持ちいい。
“ふふっ”
 ひかりが笑った。
“身体は大きくなったのに、こういう所は変わってないね”
“反応速度は小学生のまんまだよ”
 僕も笑った。
“大きさは成長したみたいね”
“ひかりもね”
 僕は少し口を離して、ひかりを見た。幼児体型の女の子はどこにもいなかった。成熟した女性に成長していたのだ。オッパイは大きく(いわゆる美乳タイプに)なり、ウエストは少しくびれていた。胸から腰のラインが艶かしい。
 苦しくなってきたのでひかりとキスをした。ひかりの口から空気が送られてきた。
“秘密の入り江につれてって”
“くらまのエッチ…”
 僕たちは秘密の入り江に向かった。

 秘密の入り江に到着した。ひかりは僕を座礁させ、その脇に寝転んだ。
「到着だよ」
「ありがと」
 ホッペにキス。お礼のつもりだった。ひかりも少し疲れたらしい。肩で息をしていた。僕はひかりの息が治まるのを待った。
「もう平気…」
 僕は改めてひかりを抱いた。ひかりも嬉しそうに抱かれている。僕たちは見つめあい、キスをした。今日始めての空気中でのキス。僕はしばらく唇を味わうと、舌を差し込んだ。ひかりもすぐに応えてくれる。
「イテテ」
 僕のチンチンが解放してくれと騒いでいた。僕は邪魔な海パンを脱ぎ捨てた。ついでに、ゴーグルもむしりとる。
「あたしも…」
 ひかりがビキニを脱ごうとするのを、僕は止めた。
「僕にやらせて」
「恥ずかしいよぉ…」
 僕はひかりに上体を起こしてもらった。手を背中に回し、ホックを探した。ぱちん。なんとかホックを外し、ビキニを外した。プルンと乳房がこぼれ出る。
「いゃーん」
 ひかりは両手で胸を隠した。そんな仕草が愛しくて、僕はひかりを抱きしめた。
「綺麗だよ。見せて」
「恥ずかしいんだってば…」
 ひかりを寝かせ、僕は上から見ている。ひかりはなかなか手をどけてくれない。僕はひかりの手をどけた。オッパイが現れた。とっても綺麗だ。
「綺麗だ…」
 僕はひかりのオッパイに顔を寄せていった。ひかりはカチンコチンに緊張している。
「舐めるね」
「う…ん」
 乳首に唇を寄せる。まずはキスから。唇でついばむようにしていると、ひかりの身体がクネクネ動いた。
「気持ちいいの?」
「うん。ぞくぞくするぅ」
 そんなひかりの姿が僕の興奮をさそった。
「じゃあ、これは?」


第18話

 僕はひかりの乳首を舐め始めた。反対の手でオッパイをもみしだく。
「あ・あ・あ…」
 ひかりの声が途切れ途切れになっていく。僕はひかりに感じて欲しくて、いろいろとやって見た。両手でオッパイを揉みながら、舌先と唇で乳首を刺激してあげるといいみたい。僕が愛撫を続けていると、ひかりの身体がピーンとのけぞった。そのまま全身がピクピクしていた。どうやらイッちゃったらしい(^^)
「はぁー」
 ひかりが戻ってきた。僕を優しく押し倒した。
「こんどは、あたしね」
「あん、食べられちゃう…」
 僕は素直に転がった。ドキドキだ。
 ひかりはキスしてきた。唇を軽くあわせると、舌先が出てきた。僕も舌を絡める。しばらく舌先をからめあったら、そのまま下に移動を開始した。首筋、胸、お腹、おへそ…ほとんど一直線に下りて行く。僕はクネクネしながら堪能していた。
「へえー。人間って腰から下にも毛が生えるんだぁ」
 ひかりは僕のふとももを手のひらで撫でた。しばらく撫で回してから、内ももをなで上げられた。
「あん…」
 僕は始めての快感に酔っていた。小さな声が出る。
「かわいい」
 ひかりはぺろっと唇を舐めた。その姿に僕は興奮した。
「ひかり、すごいエロい顔してるよ」
「だって、くらまカワイイんだもん」
 ひかりは僕の顔の方まで来ると、ホッペにキスをした。
「いっぱい、鳴かせてあげるね」
「きゃん」
 僕たちは軽くキスをした。ひかりが僕の股間に近づく。内モモをなで上げ、指先で玉をサワサワ。しばらく触られたのち、ついにチンチンが握られた。にぎにぎ。そのまま上下にゆっくり擦られる。反対側の手で玉がいじられる。
「はぁー」
 僕は満足のため息をもらした。ひかりが顔を寄せてきた。亀頭にキス。何回かキスして、舌先が伸びてきた。ベロン。亀頭が舐められた。舌は亀頭を満遍なく嘗め回す。
「そこ、いい」
「ここね」
 カリのあたりだった。ひかりは手で皮を下げるとカリを集中的に舐めてくれた。僕の腰が小さく動く。
「おねがい。くわえて」
 ひかりの口がかぶさってきた。僕のチンチンは暖かいものに包まれた。ひかりはくわえながら、チンチンに舌を這わせてくれる。至福の快感。
「上下に動かして」
 ひかりがくわえたまま上下に動いてくれた。ジュポジュポと音を立てている。視覚効果と肉体的な快感が、僕の脳みそを刺激した。
「そろそろ出そう…」
 ひかりの動きが速くなった。
「中で出しちゃうよ…」
 ひかりの動きはさらに速くなる。僕の我慢も限界だった。
「ううっ…」
 僕は射精していた。自分でも驚くぐらいに大量に出ている。
「けほっ」
 ひかりは少しむせながらも、口を離そうとしない。それどころか、更なる射精を促すかのように、尿道口を刺激してきたのだ。
「はぅーー」
 全て出きったらしい。僕は満足感に包まれていた。ひかりは手のひらに精液を吐き出した。僕にそれを見せる。
「いっぱい出たねぇ」
「いっぱい出したぁ」
 僕は笑った。でも、動けないぞ。
「手と口がヌルヌルすりゅー」
 ひかりは海で手と口を洗った。けだるかったけど、僕も海に入る。チンチンを洗った。
 僕たちは砂浜に寝転がった。どちらからともなく手をつなぎ、並んで空を見ていた。


第19話

「くらま」
「ん?」
 僕は起き上がりひかりの顔を見た。
「気持ちよかった?」
「うん、とっても」
 抱きっ。ぎゅー。
「ひかりは?」
「へへっ」
 ひかりは微笑んだ。僕はそんな彼女が愛しくて、さらに強く抱きしめた。
「ねえ、くらま」
「ん?」
「あたしと…しよ?」
 僕はひかりのへその下に手を伸ばした。指先に触れたのはウロコじゃなかった。ひかりの身体が発情期に突入したらしい。
「うん。しよう」
 僕はひかりに覆いかぶさった。キス。舌先を刺し込み、十分に味わう。そのまま下に下がり、オッパイを愛撫。柔らかくて暖かくて、とってもおいしい。
「あん、あん、あん…」
 ひかりの声がいい。僕はもっといい声で鳴いて欲しくて、愛撫に力を込めた。しばらくオッパイを味わい、僕の舌はお腹を滑り降りた。おへそにご挨拶したのち、さらに下へ。
 ひかりのふとももを舐め上げ、割れ目にこんにちは。僕はベロンと舐め上げた。
「きゃう」
 そのままベロベロする。徐々に上に移動しクリちゃんに到着。ぺろっ。
「そこ、いい」
「知ってる」
「いぢわる」
 僕は舌先でクリちゃんを集中攻撃。指先を割れ目に侵入させる。十分に潤っていたので、抵抗はない。手のひらを上に向けた状態で、中指を一番奥まで。ゆっくりと抜き差ししながら、左手投入。割れ目のあたりをサワサワする。
「あ、あ、あ…」
 ひかりの声が途切れ途切れになってきた。感じてきたらしい。僕は徐々に回転を上げていく。
「あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁ」
 ひかりがイッた(^^) 僕はしばらく愛撫したのち、手と舌を引き上げた。
「入れるよ」
「来てぇ…」
 完全勃起のチンチンをひかりの割れ目にあてがい、先っちょでこする。
「はぁうん…」
「気持ちいい」
 しばらく擦り、じわじわと進入開始。
「痛くない?」
「平気…」
 僕のチンチンは、奥まで入った。ひかりと抱き合い、全身でひかりを感じた。
「一緒だね」
「うん」
 僕たちはキスしていた。舌を味わい、腰を動かす。時間よ止まれ!
「ごめん、出そう」
「来て! 思いっきり出して!」
 僕は思いっきり腰を振った。頭の中が真っ白になる。
「うううっ」
 発射。ひかりの一番奥で射精した。僕の身体から力が抜け、ひかりの上にどさっと落ちた。ひかりはやさしく背中を撫で回してくれた。僕はときおりピクンと反応する。
「くらま、大好き」
「僕もだよ。ひかり、大好きだ!」
 僕たちはずっと抱き合っていた。チンチンは入れたままである。少し回復してきたので、肘を使って体重を支えた。
「あ、行っちゃったぁ」
「出されちゃった…」
 硬度を失ったチンチンが押し出された。僕はひかりの横に寝転がった。


第20話

「やーん、出てきたぁ」
 ひかりが海に入り、性器を洗い始めた。僕もチンチンを洗う。洗い終わった僕たちは、再び砂浜に寝転がった。手をつなぎ、ほっとした。あ、背中が吸われる…。

「ん?」
 僕は目覚めた。なんだろう。何かがおかしい。
「!?」
 僕たちは屈強な男たちに囲まれていたのだ。手には三又の槍を持ち、下半身は魚だった。ひかりの同族だ。男だから、マーマンだな。全部で5人。僕たちを半円形に取り囲んでいる。後ろにはいないけど、この囲みを破るのはムリだな。
「ひかり、起きて」
 僕はひかりを起こした。
「う、うにゅぅー」
 寝ぼけている。僕はひかりを背中で庇った。
「なぁにぃー」
「周りを見て」
 ひかりが僕の後ろで覚醒した。はっと息をのみ、僕の背中に張り付いた。
「目覚めたな」
 囲みの頂点、一人だけ槍を持っていない男が言った。他の4人とは違い、凶悪な面構えではなかった。この集団のリーダーだろう。彫が深く、なかなかハンサムだった。
「若長…」
 若長かぁ。ハナシが通じる相手ならいいんだけど。
「お前たちを連行する。抵抗すると、その場で命は無くなるぞ」
「抵抗はしない」
 僕は若長に言った。
「僕はどうなってもいい。この子は、ひかりだけは助けてくれ」
「くらまっ!」
「それは掟が決めること」
 若長に促され、僕とひかりは海に入った。
「行くぞ」
「待ってください」
 ひかりだった。
「くらまは人間です。水中では呼吸できません。私が空気を与えてもよろしいですか?」
「好きにしろ」
 若長の許可が出たので、ひかりが僕に抱きついた。唇を合わせる。ゴーグルを取る時間がなかったので、僕は固く目をつぶった。そのままザバッと水中に入った。僕はひかりに抱きつき、振り落とされないようにした。不安でいっぱいだったけど、僕はそれを思念として放出しなかった。見える分だけ、ひかりの方が不安だと思ったのだ。

 進むにつれて、深度が増してきた。水圧が身体を締め付け、低くなった水温が体温を奪う。死なないぞ。ここで死ぬわけにはいかない。僕はそれだけを思い続けた。意識が無くなったら終わりだ。

「乾いた布を! このままでは、死んじゃう!」
 遠くでひかりの声がした。海中ではないらしい。背中に当たる感触は、どうやら岩の上みたいだ。
 僕の身体が拭かれ、誰かが抱きついてきてくれた。
「ひかり?」
「うん。くらま、死なないで」
 僕は無意識にひかりに抱きついた。ひかりの身体から暖かい体温が伝わってきた。暖かい。僕はその暖かさを受け入れていた。

「あ…れ?」
「くらま! 大丈夫!?」
 僕はひかりの頭を撫でていた。ひかりが自らの身体で僕のことを暖め、僕を救ってくれたんだ。僕は感謝の気持ちでいっぱいだった。
「助けてくれて、ありがとう」
「もう、馬鹿っ!」
 ひかりは緊張が解けたのだろう。泣いていた。
「命を拾ったようだな、人間のオスよ」
 太い声が僕にかけられた。声はすれども、姿は見えず。視力が回復していないのかな?
「ひかりに感謝するがいい」
「ありがとう、ひかり」
 僕はひかりをそっと離した。正座し、声の方に向き合う。薄ぼんやりとシルエットが見える。















第21話

「あなたは?」
「人魚族の長だ。人間、名前は?」
「くらま」
「しげとら…だ」
 長はしげとら…と名乗った。僕は軽く頭を下げた。目が慣れてきたけど、長の顔は良く見えない。僕には暗すぎるらしい。
「一つ聞いてもよろしいですか?」
「なにか?」
「あなたには僕の顔が見えますか?」
「当然だ」
「僕には見えない。あなた方と違って、僕には暗すぎるようです。申し訳ないが、もう少し明るくして下さい」
 長は鼻で笑った。
「さすが人間。勝手な言い草だ」
 それでも僕の望みを聞いてくれた。
「明かりを強めよ。だだし、徐々にな」
 周囲が徐々に明るくなってきた。どこからか太陽光線を取り入れているらしい。
「もう十分です。ありがとう」
「我々には少々明るすぎるがな」
「ご配慮、感謝します」
 僕は深く頭を下げた。
「人間に感謝などされたくないわ」
 僕は殺されるのだろうか? もしそうなったとしても、ひかりだけは助けたい。でも、どうやって? 僕の自問に答えが出るより早く、長が話し始めた。
「掟では、人間と性行為を行った人魚は、八つ裂きとなっている。もちろん、相手の人間もな」
「そんなことは、させない!」
 僕はひかりを背中で庇うと、長を睨みつけていた。
「ほう…」
 長の眼が細くなった。冷たい刃のようなプレッシャーだ。
「この状況においても、そんな強がりを言えるのか」
「やってみなくちゃ、わからない!」
 僕は長の眼を見ながら、周囲の様子に気を配った。いっせいに槍が飛んできてもおかしくないのだ。
 周囲の殺気が膨れ上がるのを感じた。まずい。殺られる…。対峙はどれぐらい続いただろうか…。武道の心得のない僕にとって、ひかりを守りたいという気持ちしか、よりどころは無かった。でも、一切勝算はない。
「人間にしては、骨が据わっているな」
 長のプレッシャーが下がった。同時に周囲の殺気も下がる。僕は小さく息を吐いた。あのまま対峙がつづいていたら、へたりこんでしまったかもしれない。
「愛する女性を守りたい一心です」
 僕はキザな台詞を吐いていた。この状況から抜け出す方法は? 必死で計算するけど、どうにもならない。
「ぬけぬけと…」
 長は苦笑していた。
「あれを持って来い」
「あれ?」
 動きは長の側にあった。僕は何であろうと受け入れる覚悟をした。
 長が持ってこさせたのは、小さな壷だった。蓋は油紙?で密閉されている。長はその壷を見ると、満足げに頷いた。
「人間よ、その足を捨てる覚悟はあるか?」
「僕の足で、ひかりが助かるなら、いくらでもくれてやる。なんだったら、命でもいいぞ!」
 僕は思い切り啖呵を切っていた。
「そんなぁ…」
 ひかりは泣きべそだ。
「その覚悟、忘れるなよ」
 長はそう言うと、壷の蓋を開けた。中から丸い物体を取り出し、僕に渡した。
「ひかりを殺すのは忍びない。数年ぶりに生まれたメスだからな。しかし、掟を破るわけにはいかない」
 長は小さく息をついた。



第22話

「掟を破らないためには、お前を同族として迎え入れなければならない。業腹…だがな」
 長の言葉には怒りと苦悩が含まれていた。とことん人間が嫌いらしい。嫌いというより、恐怖かな?
「だから、この薬ですか?」
「そうだ」
 僕は手の中の薬を見た。黒くて、いかにも苦そうだ。
「飲むとどうなります?」
「我々と同族に姿を変える。ただし…」
「副作用?」
 僕の問に長は頷いた。
「奇形になるか、精神に異常を起こすか。場合によっては…」
「死ぬ?」
「かもしれん」
 僕はひかりを見た。僕の心は決まった。
「飲みます」
「くらまぁ…」
 僕はひかりを抱きしめた。
「同族になって、いっしょに暮らそう。僕なりに一緒に生活できるプランを考えてきたけど、この薬の方が良いプランだ」
「でも…」
「信じて待ってて」
 キス。離れた僕は薬を口に放り込んだ。飲み込む。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 僕の身体を猛烈な変化が襲った。骨格が変わり、皮膚が変わる。僕は吐き気に襲われ、胃の中身を全てぶちまけた。吐くものが無くなっても吐き気は治まらなかった。体中が燃えるように熱い。
「ばっきゃろー、死んでたまるかぁ!」
 僕は死の恐怖と戦っていた。床に蹲り、拳で殴りつける。激痛のはずなのに、痛みを感じなかった。
「くらま! ダメだったら! 手が!」
 後ろからひかりが抱き付いてきた。触れられた僕はあまりの熱さに、思わず跳ね飛ばしていた。
「きゃっ!」
 小さな悲鳴。一瞬、視界が戻る。ひかりは壁に背中を打ちつけ、床に転がっていた。
「ひかり!」
「だいじょう…ぶ…」
 大丈夫のワケがない。今の僕の力にはリミッターが掛かっていないのだ。アバラが折れてるかもしれない。僕は激痛に耐えながら、ひかりのそばに近寄った。
「ごめん、痛かったね」
「どこも折れてないから…」
 ひかりは僕を抱きしめた。僕は思った。僕は一人じゃない。ひかりと一緒なんだ。二人で一緒に生きていくんだ。
「う、ぎゃぁああああああああああ」
「くらま!」


第23話

 僕は絶叫を上げていた。なにが何でも、生き抜いてやる。ひかりと一緒に! 僕の意識は大波に飲み込まれそうだった。抱かれているひかりの肌の感触に意識を集中し、辛うじて自分の感覚を保っていた。
「死なないでぇ!」
 僕はダメな男だ。愛する女の子に、こんな悲しい思いをさせている。ひかり、ごめんね。
「悪いのはくらまじゃないよぉ!」
 僕の意識が暗転した。くそっ、ここまでか…。

「くらま! くらま! くらまぁ!」
 僕はあまり良くない目覚めを迎えた。思い切りゆすぶられ、頬を張られているのだ。
「い、痛いなぁ」
「くらまぁ!」
 ひかりが抱きついてきた。涙と鼻水で、顔中ぐしゃぐしゃになっている。
 僕の身体は、嘘みたいに平穏な状態に戻っていた。どっちだ? 僕は自分の下半身を見た。そこには魚のウロコが見えた。成功?
「成功したのか?」
「身体は変わったのに、意識が戻らないんだもん。心配したんだからぁ!」
 そう言うと、もう一発。僕の頭がぐらっと揺れ、耳がキーンと鳴っていた。頬がしびれたように痛み出す。
「痛い…」
「あ、ごめん…」
 ひかりはバツの悪そうな顔をした。僕はひかりの頭を軽く撫でた。
「痛かったけど、ありがとう」
 僕はひかりを抱き寄せた。彼女が強引に起こしてくれなかったら、僕の意識は戻らなかっただろう。
 僕はひかりを抱き寄せ、キスをした。舌を入れ、深く相手を感じあう。
「こらこら…」
 向こうから長の声が飛んできた。ひかりはあわてて僕の胸に顔をうずめた。
「愛を確かめ合うのは、己の部屋でやらんか…」
「これは失礼」
 僕は長の顔を見た。長の顔には苦笑が浮かんでいた。長は僕の方に這ってくると、右手を伸ばしてきた。
「お前の覚悟、見せてもらったぞ」
「合格…ですか?」
 僕は右手を出した。長がその手をがっちり掴む。
「もちろん。生きて同族になることが出来たからな」
 長はニヤっと笑って、こう付け加えた。
「意識が戻るとは思わなかったが、な」
「起こしてくれる女性がいましたから」
 ひかりは恥ずかしそうにしていた。
 長が仲間の方を向き、こう宣言した。
「今日から、我々の仲間になった戦士を紹介する。くらまだ!」
「うぉー」
 僕は、人魚になった。









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