RF-4E 作

官能小説『ワルキューレ伝説~白と黒と螺旋になって~』



前編


「いやぁぁぁぁぁ!」
裂帛の気合いが響く。
それと同時に白刃が閃き、この世ならざる怪物を両断した。
「…ふぅ……」
怪物の最後の一匹を切り捨てて小さく息を吐き出す。
「…いつまで私は………」
全身を美麗な鎧でまとった美しい女性は一人呟き、無数の怪物を切り捨て
たというのに刃こぼれ一つ、血曇り一つしていない剣を鞘へ戻してその場へ
座り込む。
「………………」
僅かに返り血を浴びているものの女性の体は全く傷ついておらず、その腕
の凄まじさが見てとれる。
「………?」
目を瞑って何かを考える素振りを見せていた女性はふと何かの気配を感じ
て立ち上がった。
「………どうしたワルキューレ?」
「メリル!!」
ワルキューレは相手の声を聞くのと同時に一挙動で剣を抜き放ち瞬時に戦
闘態勢を整える。
「そんなに険を立てるな」
メリルと呼ばれた女性は両手持ちの大剣に体を預け、まるで友人に話しか
けるような言葉を投げかけた。
「私が受け賜った至言はお前の討伐!」
そんなメリルとは全く正対象な厳しい表情で剣と盾を構えるワルキューレ。
「至言?ふっ……神とやらのか?」
ワルキューレの言葉を鼻で笑う。
「神を……神を愚弄するな!!」
メリルの態度に思わず激昂する。
「神は全てのものへ平等に愛をそそいでいる!神の御意志は絶対だ!!」
「……ほぅ……」
大剣へ体重をかけてリラックスしたままの表情で意外そうな声を上げるメ
リル。
「神が平等?ふふん……中々面白い話だな」
「それ以上神を愚弄すると許さぬ!」
「許さぬか……だがお前の仕事は私の滅消。それ以上どう許さぬのかな?」
言いながら脇の地面に刺してあった大剣をゆっくりと手に取る。
「どうした?かかってこないのか?」
自分の身長近くある剣を、両手ではあるが軽々と担ぎ、ワルキューレに勝
るとも劣らない美しい顔に挑発的な笑みを浮かべた。
「…………」
無防備に見え、その実全く隙のないメリルを前に攻めあぐねるワルキューレ。

「来ないならばこちらから行くぞ」
言うが速いか、凄まじい速さでワルキューレに向かって切り込む。
「くっ!」
反射的に左腕の盾で受け流し反撃しようとするが、思った以上の踏み込み
に思わずたたらを踏んでしまい元の間合いになってしまう。
「流石だな。そうなっても神の子と言うところか」
必殺の剣を受けられたというのに何故か嬉しそうに言うメリル。
「何が言いたい!!」
一度切り結べば引き分けはない。ワルキューレは叫びながら逆に切り込む。
「何が言いたい……か。自分の胸に聞いてみたらどうだ!」
長大な大剣で小回りの利くワルキューレの剣に負けない剣捌きを見せなが
ら叫び返す。
「神の御意志は絶対だ!間違いはない!!」
「悲しいな。お前は生まれながらの神の子だ」
「だから何が言いたい!!」
「別に何が言いたいわけではないさ。独り言だよ独り言」
お互い一中必殺の剣戟を交わしながらの会話を続ける。
「ならば黙れ!」
「何を悩む?何を想う?」
「うるさいうるさいうるさい!!」
「何を迷う?何を案じる?」
「黙れ!それ以上何も言うな!!」
自らの何かを吹っ切るように叫びながら剣と盾を操るワルキューレ。
「ふふふ……太刀筋に迷いがあるぞ。どうした?」
「迷いなど……」
「そろそろ終わりにしようじゃないか」
「なっ!?」
言葉と共により速度を増した剣閃に対応しきれず、あっさりと剣を弾き飛
ばされてしまう。

* * * * * * * 

「さて……」
うずくまったまま、今だ痺れる右手を押さえながらメリルを見上げるワル
キューレ。
「どうして欲しい?」
「………………」
「命乞いは……せぬか」
視線に相手を殺す力があるならば、間違いなく殺されていそうな視線を軽
く受け流しながら小さく笑う。
「まぁいい、私も今から少々遊びに行く身だ」
言いながら、メリルは警戒するふうでもなく、スッと近付いてワルキュー
レの側へしゃがみ込んだ。
「……何を………」
メリルの行動に疑問符を浮かべるワルキューレに顔を近付ける。
「ぅむっ!」
敵である相手の突然の理解不可能な行動に簡単に唇を奪われてしまった。
「……………」
「むぅっ!!?」
口の中で何かを言って唇を離すメリル。
「な、何を……!」
「ちょっと呪文を使ったのさ。お前の意志では体は動かせない」
「…………くっ……」
メリルの言う通りワルキューレの体は全く言うことをきかなかった。
「……何をするつもり?」
「さぁ、何かな?」
ワルキューレにのし掛かり、頬に手を添えながら妖艶な笑みを浮かべた。
「お前は生まれながらに祝福を受けた神の子だ。こう言う事は知るまい」
言いながら胸当ての留め金を外す。
「…神……か」
一体型の肩当てと胸当てが外れ、袖無しのチュニックのみになる。
「!?」
「無駄だよ、動けはしない」
何とか逃げようと身じろぎするものの、呪文の効果で逃げることはおろか
動くことさえままならない。
そんなワルキューレの首筋に舌を這わすメリル。
「ひっ!」
首に感じる生暖かい感触に思わず息を呑む。
「そんなに怖がることはないだろう?別にとって喰う訳じゃないんだからな

「だったら……だったらどうするつもりだ!?」
「だからそう険を立てるなと言っただろう?もっとリラックスしてみたらど
うだ?」
言いながらおもむろにチュニックをたくし上げ、柔らかな双丘を揉み始め
た。
「やっ……なっ……っ」
その行動に混乱し意味不明の言葉を発するワルキューレ。
「この細い腕、この柔らかい体、お前の強さはお前が生みだす物ではない」
徐々に固くなりつつあるその先端を指で転がしながら続ける。
「神に与えられた……いや、神に押しつけられた物が一つ」
「ふっ!」
言葉と同時に胸の先から来た鮮烈な感覚に、勝手に声が出てしまう。
「そして人間共の想いだ」
くっつくほどに顔を近付け軽いキスをしながら言葉を継ぐ。
「惰弱で堕落しきった人間共など、考えただけで反吐が出る」
「っそ、そんな事はっ…無い!」
「そうか?」
胸を揉む左手とは別に、大きく空いたスリットから右手がスカートの中へ
潜り込んでいく。




後編


「では聞こう。何故お前はここにいる?」
「か、神の御意志だ」
「神の御意志か」
ワルキューレの返答を鼻で笑い右手を蠢かす。
「やっ!な、何をっ……んくっ!!」
そのほんの小さな動きで言葉が詰まり、体が小さく跳ねた。
「敏感だな……まぁこう言う事は初めてだろうから無理もない」
楽しそうな口調で言いながら右手を動かし続ける。その度にワルキューレ
は小さく跳ね、食いしばった口の端から押し殺した悲鳴が上がる。
「ではもう一つ聞く。何故お前は私に勝てない?何故光の加護を受けたお前
が闇たるこの私に負ける?」
「そ、それ、は、っ…ふああああぁぁぁぁぁ!」
答えようとした時最も敏感な芽をつままれ、悲鳴を上げて一瞬硬直してか
らクナクナと脱力した。
「まぁいい。そんなことはどうでも良いこと」
荒い息を吐くワルキューレをほんの少しの間悲しげな視線で眺めて、再び
、今度はその胸へ口付けをした。
「んっ!」
「今は何も考えずにこの快感を享受しろ」
「快、感?っ!くっ……はぁっ!んぅあぁぁ!」
「快感が分からないんだろう?これが快感だよ」
「ぅあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
3つの敏感な突起を同時に啄まれ、すぐに頭が真っ白になる。
「や、もぉ……ひんっ!くぁぁぁ!!ああぁぁぁぁぁ!!!」
見えていないのに、スカートの中ではメリルの指が肉の鞘を器用に剥いて
、その秘めたる真珠を軽く愛撫する。その愛撫の度にワルキューレの背筋は
反り返りおとがいが空を仰ぐ。
「もう何回イったか?」
「イ、ぅあ!ク?ふわぁぁぁぁ!!」
「お前が感じている感覚は快感だ。そしてその行き着く果て、弾けるような
感覚がイクと言うことさ。
もっとも既に快感じゃないかもしれないがな」
頭の中が滅茶苦茶にかき回されるような峻烈な快感の連続に、ただひたす
ら悲鳴を上げるワルキューレ。
「やあぁぁぁぁぁぁ!ひゃう!はっ!ひっ!!」
既にスカートの下には大きなシミができ、まるで小便を漏らしたようにな
っている。乳首も陰核も痛いほど自己主張をし、メリルのひと撫で毎に脳味
噌が焼けるような快感のパルスが襲う。

* * * * * * * 

どれくらい経っただろうか?最早少し前までの気丈なワルキューレは面影
もなく、過剰に与え続けられる快感の奔流にもみくちゃにされて息も絶え絶
えになっていた。
そんな嫌と言うほどオルガスムスを体験した体は、クリトリスを軽く摘ま
れただけで新たな絶頂の山へと放り上げられてしまう。
「ふわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
柔らかな曲線をえがく双丘の先端は、ぷっくりと張りつめて自己主張をし
、形の良い朱唇は力無く半開きになって、その端を伝う唾液が顎から胸へと
落ちていく。
「も、うああぁぁぁぁ!やぁっ!っきゃうぅっ!!」
この時になって、文字通り大洪水になっている秘芯に生まれて初めて指を
差し込まれ、悲鳴を上げた。
「安心しろ、お前は乙女はお前の物だ」
メリルは指を動かしながら言うが、果たしてどれだけその言葉が届いてい
るだろう。ワルキューレは増水した快感という名の河に押し流されていく。
「もっ、ふあっ!もぅ……ああぁぁぁぁぁ!!」
もう拒むほどの意志も力もなく、洪水のように溢れる愛液でぐっしょりに
なった内股を目一杯に開いたまま、ひたすら悶え続けるワルキューレ。
「もっと、もっと感じろ。そして白紙になれ」
小さく呟きながら指を奥へと進めて軽く曲げる。
「ひああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その小さな動きだけで頂点に跳ね上げられて、痙攣しながら股間から愛液
を吹き出させてしまう。
「もう、もう、やめて……死ぬ、死んじゃう……」
ゆるんだ責めの合間に蚊の泣くような声で懇願するワルキューレ。
「お前は神の祝福を受けている。どんな苦境にあっても死にはしない」
「っ……ひっ!い、……くああぁぁぁぁぁ!!」
「それが一番の苦境かもしれんが」
「いやっ!いやあぁぁぁぁっっ!!」
潮を吹きながら悲鳴を上げる。
「さて、そろそろ終わりにしようか」
「うぁぁ……あぁ……ぁう……」
「私にもこの後用があるからな」
言いながらワルキューレのスカートの中へ両手を差し入れて、敏感な肉芽
も同時になぶり始めた。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
乳首、陰核、秘孔、無数の場所から同時に与えられる異常なまでの快感の
暴力に、魂から悲鳴を上げた。
四肢の力は抜け、淫裂に差し込まれた指の間からはまるでお漏らしをした
ように愛液が吹き出す。
「ひあぁぁ!!らめ!死んじゃうぅぅぅぅぅ!!」
喉をひきつらせて叫ぶがメリルは容赦せずに快感を生産し続け、ワルキュ
ーレは徐々に目の前が白くなっていくのを感じていた。
「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!……あぁ……あ………は………」
そしてひときわ高い絶叫と共に股間からは黄金色の液体を迸らせ、痙攣以
外何の反応も示さなくなってしまった。

* * * * * * * 

「………ふぅ……」
小さくため息をついたメリルは、意識を失ったワルキューレを横たえ呪文
を唱えた。その最後の力ある言葉が紡がれるのと同時にワルキューレは光に
包まれ、全く元の服装のまま眠るような表情で巨大な
氷柱のオブジェとなっていた。
「ワルキューレ、お前は光の子だ」
氷柱へ顔を寄せて小さく呟く。
「神に疑問を持つな」
軽い口付け。
「お前が私に勝てなかったのはお前のせいではない。この程度の簡易結界な
どお前の本来の力があれば瞬時に溶かす事ができる」
放ったままの大剣に向かって歩き始める。
「……昔、お前の他にも戦女神(ワルキューレ)は居たさ」
地面の大剣を手に取って軽く振る。
「神の傲慢さに疑問を抱き、そして自分勝手な人間に愛想を尽かした」
再度氷柱を振り返り悲しげな瞳で安らかなワルキューレの横顔を見た。
「光に疑問を持った光の子は影へと身を堕とし、鎧は暗黒色に、剣は大剣に
、光魔法は氷土を生みだす魔力となった」
暫くワルキューレを見ていたが、ツッときびすを返して歩き始めた。
「お前は神の、いや、希望という名の光の子として私を倒しに来い」
メリルの美しい顔に涙が伝う。
「お前が必要だと言う事を、お前がどれだけ大切かを傲慢な奴らに!惰弱な
愚民共に教えてやる!!」


それから数年後、新たな伝説が生まれる……… 















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