昔、山寺に和尚と小僧がおったそうな。和尚は門前の後家と茶話がしたくてたまらぬ。
 そこで小僧を呼んで
「山さ草刈に行ってこい」といいつけた。
 小僧は「はい」と言って馬を引いて山へ行き、木に馬をつないで、そっと寺へ帰り庫裏くりの下へもぐり込んだ。
 そうとは知らず和尚さんは、門前の後家を連れ込むと、茶話を始めた。
 後家の茶話は、大変にうまく艶っぽかった。
それが和尚には嬉しくて楽しくてしようがなかった。

 昼間というに和尚に体をもたせかけると、和尚も後家の胸を探りながら、「これ、ここのこんもりしたところはどこでござるかの」。と聞けば
 後家は、「それは双子山といって道の両側にあって、昼間でも人っ子一人通らねえ山道がヘへそ平らの方へ続いております。女の一人旅は心細いものです。でも和尚さんと二人旅なら安心ですが、でも和尚さんも男、こんなあ淋しい山道だから、いつ変な気をおこされるかも、和尚さんが私を手ごめに…」
 後家さんはもう、上気した顔を和尚さんの胸に預けて話を続けた。
「二人だけのたび、そしてここは薄暗くて草ッ原まで布団を敷いてあるように柔らかくて…、たとえ何があっても私さえ黙っていれば誰も知らんことですし、はァー」
「そんなに男が恐ろしかったら逃げればよいのじゃ」と和尚が言うと、
「だって、人っ子一人いないここで逃げても男の足で追われたら半町も行かんうちに追いつかれて、どーんとそこの草むらに倒されて無理矢理仰向けにされて、着物のスソをパラとひろげられて、着物も、じゅばんも脱がされて、腰巻の中へ手を入れられて、乳や女陰ほとを撫でられたり、なめられたり、私がいやじゃ、いやじゃというのに足を開かされて、白い太ももから腰に手を廻してグイと持ち上げられて、男の一物に唾つばつけてググーと私の女陰の中に入って来たら、なんぼ身持ちの固い私でも和尚さんの言う通りになるほかないんですよ…、ああ、ああ、もう、あァァ」
 和尚さんの手はへそ平らから千本松原を越え、谷のほうへ延びてきた…。

 小僧はこれはよいことを聞いたと縁の下から這い出して山へ戻って、夕方まで草も刈らずに遊んでいて、日暮れ頃戻ってきた。
「これ小僧、馬の背中が空っぽではないか。草刈もせず何をしておった」
と、小僧を叱りつけると、小僧はけろりとして言うた。
「はい、和尚様、今日は草をいっぱい刈ろうと双子山からへそ平ら、千本松原に谷のほうまで行ったけど、草がちっともありませんでした」
 和尚さんは顔を赤うして庫裏の中へ逃げ込んだ。


おしまい











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