官能小説『貴方の想い出を追いかけて』



竜馬


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第一章十三


 アパートの手前に近づいて気が付きました。

  「あれ? 部屋の明かりがついている… 拓… 拓ちゃん?」

 拓ちゃんはまだ帰ってこないとばかり思っていた私は、灯る部屋の明かりに涙が溢れそうになってきました。

 私は、他の住居の迷惑など気にもせずに靴音を響かせて鉄骨の階段を駆け上がり、廊下を走りながら考えていました。もし拓ちゃんと綾子が一緒だったら…
もしも事実を打ち明けられてしまったら… と、津波のような不安が押し寄せてきましたが拓ちゃんに会える喜びに不安も消し飛んでいきました。

「舞!! どこに行ってたんだよ?! 昨日の夜、変な電話をよこすから心配になって早く帰ってきたんだぞ!」

 玄関の扉を開け、直ぐに拓ちゃんのお叱りを受けた私はその説教も気持ちよい響きに受入れ、満足感に浸りながら急いでテレビを見ている拓ちゃんの背中に思い切り抱きついていて拓ちゃんを驚かせました。

「拓ちゃん!!」
「なっ、何だよ? …ははっ、どうしたんだよ舞」
「だって… だって… 帰ってこないかと…」
「バカだな、俺がいつ帰って来ないって言ったかよ? 俺が帰ってくる場所はここしかないだろ? 心配しなくても舞の所だけだよ」
「うんっ!」

 拓ちゃんの背中は今まで通り大きくて逞しく、幅広い中にも優しさを感じました。 そして小さな私の身体を大きな腕で抱擁してくれる拓ちゃんは、呪縛から解かれたような心で私を抱き寄せてくれたのです。

 その心に私は落ち着きを取り戻し、素直な心になれました。

「ごめんね… 拓ちゃん…」
「んっ? 何で謝ったりするんだよ?」
「…ううん、ただ… ただ、謝りたかっただけ…」

 綾子の疑いが晴れたわけでは有りません。いいえ、二人は昨夜一緒だったことくらい私にも分ります。でも、もういいんです。だって、私に背を向けそうになっていた拓ちゃんが正面を向きなおして私を見つめ直してくれたのですから。
 綾子と舞、二人を比べたら綾子を選ぶに違いない… 私にはそんな悲壮感が漂っていました。きっと拓ちゃんも私ではない綾子を選ぶんだ… そんな事ばかりを思い拓ちゃんを信用しきれていなかったのですから、私は一言謝りたかったのです。

 そんな拓ちゃんも言葉にこそしませんでしたが心の中で「今までごめんな」
と、素直に謝ってくれていることを私は感じ取る事が出来ました。



十四


 その夜、拓ちゃんは私を力いっぱい抱きしめてくれました。  

 途切れかかった願いの糸を結び直したような二人の恋衣。充分それを感じ取れる拓ちゃんの愛撫を私は永遠に続けて欲しいと願い、蕩ける身体を恥かしいくらいくねらせて満足感に浸っていくのでした。

「舞のアソコの中、俺の舌が火傷しそうになるくらい熱い熱湯が流れ始めているよ。ほら、また奥からお湯が流れ出してきた…」
「う、うん… 奥を擦られると堪らないよぉ… あああんっ!!」
「そうそう、舞は穴の奥を舐められながらクリを指で擦られるのが好きだったよな。いいかい舞、指の平でこねくり回してあげるよ。ほらっ」
「むんんんっ!!!! あああんっ、いいい、いいよぉ、拓ちゃん! そこ擦られると舞、舞、おかしくなっちゃうううう!!!」

 私の太股の中に顔を埋め、膣の中を舐めてくれる拓ちゃんの刺激に堪らず私の腰は勝手にくねくねと恥かしく動き回り、拓ちゃんの愛撫をもっと欲しいとおねだりしてしまいました。

「凄いな舞。これだけびっしょり濡らしていたら俺のが簡単に入っていくぞ」
「や、やだぁぁ! そんな恥かしい事を言わないでぇ…… はぁぁん…」
「それじゃ入るか試してみないとな。なっ、舞。本当は早くそうして欲しいんだろ?」
「んんっ… た、拓ちゃん…… う、うん……」

 愛撫で蕩けた私の身体は拓ちゃんを欲しがっていたようです。熱く滾る膣の中、今度は逞しい拓ちゃんのモノで力強く舞の内肉を擦り続けて欲しくて堪らなくなってしまいました。

「た、拓ちゃんの… お、おち○ぽで…… 舞の… 舞のおま○こを擦って…」

 久し振り口にする隠語は、私の羞恥心を煽り更に熱くさせた体内の道標を大量のお汁で溢れさせ、逞しい拓ちゃんのあそこをすんなりと通過させていきます。

「あっ?! あああっ、大きい拓ちゃんのおち○ぽが入ってくるよぉ!」
「本当に今日の舞はどうしたんだい? 俺のあそこが溶けるくらい舞の中身は熱くなっているし、しかも凄い締め付けようだ… それに、奥の方は更に肉汁が充満していて凄い状態だぞ」
「はぁぁ… だって、だって久し振りに拓ちゃんがやってくれるんだもん…はあ、はああぁ、ああっ! 凄い!! 奥の壁に当ったちゃううう!!!!」

 木造壁の薄さを考えて声を押し殺したかったのですが、拓ちゃんの腰の運動に合わせて喘ぎ声を洩らさずにはいられませんでした。更に加速を増してくる腰の運動に私の身体は絶頂前の痙攣を始めると、空のかなたへ放り投げられ自分を見失いそうになってしまう私は必死に拓ちゃんにしがみ付いて更に激しい痙攣を繰り返していくのでした。



十五


 正常位の拓ちゃんの首に腕を巻きつけ、更に両脚は運動を終えた拓ちゃんの腰に絡めたまま昇天という幸せを掴み取った私と、私の体内に溢れんばかりの液体を注ぎ込んでくれた拓ちゃんは、暫くの間夢のささめごとを交わすかのように余韻に浸っていました。

「ねぇ… 拓ちゃん…」
「んっ? …何? どうした?」
「…うん…… まだ… 頑張れそう?」
「えっ? どうして? …舞は満足できなかったのかよ?」
「ううん、そうじゃない… 舞は凄く満足したわ…」
「じゃあ、どうして? もう一回やって欲しいのかい?」
「う、うん… あのね… …あの、ね…… 後でやっても… いいよ……」

 凄く恥かしい承諾をしてしまったと思います。後ろ、つまりお尻を使ってもいいよと言う私に驚いた拓ちゃんは暫く言葉を失っていたように見えました。

「べ、別に無理する必要はないよ。それにそう簡単に出来るものでもないだろうに…」

 心配してくれる拓ちゃん。でも私、綾子からアドバイスを受けていたんです。
毎日お風呂の中でアナルの周りを解し、慣れてきたらまずは小指から少しづつ入れてみる。最初は凄く恐かったのですが小指の先を初めて入れてみた時、妙に恥かしいやら興奮するやらで恐怖心はあまりありませんでした。今では中指が入るようになったし、少し指の平で内側を擦る事も覚えて逆に癖にならないか心配するほどなのです。

 お腹の中も空っぽにしているの。と、言うと更に拓ちゃんは驚いていました。

「痛かったら我慢しないで言うんだぞ」

 そう言いながら拓ちゃんは、両太股を抱えたまんぐり返しの私の腰に枕を差し込み、私のお尻を天井へと見せ付ける格好を取らせたのです。

「あぁぁ…… す、凄く恥かしいよぉ……」

 お尻を見られることがこんなにも恥かしいものだと私はその時初めて知ることとなり、もの凄く恥かしがる私のお尻に拓ちゃんの指がゆっくり抽送し始めるとお尻の中がカッァーと燃え始める興奮を覚えたのでした。



十六


 冷たいローションがお尻から身体全身に伝わっていく感触は、お尻の処女を拓ちゃんに捧げる現実として私を包み込み、まるでその鼓動は初めて拓ちゃんに操を捧げた時の不安とときめきに似ているものでありました。

「あっ… んっ… んんっ… うっ! んんっ…」

 細い指とは比べ物にならない太くて硬く、でも温かくて逞しい拓ちゃんのあそこがお尻から私の身体の中に入ってくる感触に更に恥かしさは増していくばかり。でも不思議と痛みは感じません。小さな蕾、そこに男性の逞しいペニスが入るなんて想像もできなかった私は何度も鏡を見ては不安に駆られていましたし壊れて排泄機能が不能になるのではないかと心配もしていましたが、優しく労わるような挿入に不安より耳かきで擽られるムズ痒さのような悩ましさに お尻とお腹の中を火照らしていくのを感じていました。

 お尻で男性を受け入れるなんて… と変態扱いされそうですが私にはそんな嗜虐感や卑劣感など一つもありません。思うには乳房や女性器と同じ性感帯としてお尻も有りだなと、私は拓ちゃんのあそこを根元まで咥えてそう思いました。そしてこれも私達の愛情の受け渡しなんだということも知ったのです。

「あぁぁぁ… た、拓ちゃんのおち○ぽがお尻に全部入ってる。全部…」
「ああ、そうだよ。俺のが全部、舞のお尻の中に入って舞のお尻が俺のあそこを圧縮して気持ちよくしてくれているんだぞ」
「ぁぁ… 気持ちいいの? 私のお尻って気持ちいいの?」

 拓ちゃんが私のお尻に満足してくれているそれだけで私は幸福感に包まれた幸せを感じずにはいられません。そして、もっと愛を確かめ合いたい私はお尻に突き刺さったもので更なる愛情を求め、それを潤んだ私の瞳で知る拓ちゃんの腰が動き始めていくのでした。

 ゆっくりと浮き沈みを繰り返してくるモノが時間を掛けて加速してきます。擦られるお尻に痺れが走り、その痺れが気持ちいいと感じていいのか今の私にはどう判断していいのか困ってしまいますが、おま○こを擦られる刺激とは違いどこか排泄感を伴う刺激に戸惑い、漏らしてしまいそうな感触を消す事ができていませんでした。でも、拓ちゃんには逆にそれがよかったみたい。必死にお尻の蕾を閉じようとする私は拓ちゃんのあそこを知らないうちに締め付けて 拓ちゃんを気持ちよくさせていたからです。

 私のお尻の中で、拓ちゃんのあそこが更に大きく膨らみながら突いてくるのが分ります。その凄まじい勢いに擦られているお尻だけじゃなく膣口までもが熱く火照り始め、そして最後には私のお腹の中に拓ちゃんの大量の液体が注ぎこまれていくのでした。

 二つの処女を捧げられた満足感は、綾子の影が見え隠れするここ数週間の記憶を濃い霧が消え失せていくような晴れ晴れとした爽快さを感じさせてくれるものでした。


 気が付くと、季節は年惜しむ年の瀬。

   新春、麗かな花香る春の季節が終わるころには綾子も花嫁になります。一方、私と拓ちゃんも願いの糸を叶えるため新たな一歩を踏み出す予定でいました。

 みんな幸せになれますように… しかし、新年にそう願った私のその願いがまさか儚い願いになるとはおもいもしていませんでした。



第一章 終わり

第二章



















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