官能小説『隣人 改』
しょうた&リレー小説参加者の皆様

※第1話~第2話はしょうたさんの直筆により、
第3話以降はリレー小説の皆様の合作によります
編集はしょうたさんです



第16話

(う~ん……)
 腕に痺れを感じ瞼を開いた。
 快楽の余韻に浸りながら、久美と会話している途中、寝てしまったようだ。
 隣には全裸の久美が腕を枕代わりにし寝息をたてている。
 ぐうっ~、と腹が鳴った。
 ベッドサイドにある時計を見ると午後一時を過ぎている。
 どうりで、お腹もなる筈だ。
 ずっと、このままでいたいが、空腹にはかなわない。
 それに放尿感もあった。
 久美の頭からそっと腕を引き抜きベっドから起き上がった。
「帰っちゃうの?」
「おこしちゃったみたいですね」
「ううん、いいの……」
「奥さん、いえ、久美さん、最高でしたよ」
「あは、わたしも凄くよかったわ……久しぶりだったし」
「え!? 久しぶりって、ほんとに?」
「うん、約一年ぶりかな」
「だって、ご主人とは? 仲良さそうじゃないですか」
「う~ぅん。見た目だけよ……仲が良いのは……。実はね、もぉ、うちのとは終わっているのよ。それに、浮気もしているみたいだし」
「えっ、それは失礼なこと聞いてしまったかな」
「いえ、いいのよ、浮気のことはどうってことないの……。もぉ、愛しているわけではないし、ただの生活のパートナーって感じだから。でもね、わたし悔しかったの。主人だけ外で性欲を満たしていて、わたしはオンナの欲望を満たすことがてきないから」
「へぇ~、もったいないなぁ。こんなに綺麗でエッチなのに」
「もぉ、エッチは余計よ」
 久美が頬を赤く染めた。
「で、出会い系とか利用すれば久美さんならばすぐに恋人ができたのでは?」
「うん、もちろん興味はあったわ。利用している友達もいるし。けど、やっぱり怖くて……。だって、見ず知らずの男でしょ? もし変なのがきたら大変よ。勝手だけど、やっぱり、家庭を壊したくはないし」
「でも、久美さんならば普段でももてるでしょ?」
「はは、そういう誘いもなかったわけではないけど……。今一いい男がいなくて」
「で、俺は」
「ふふっ、わたしの好み……」
 久美は笑い、言葉をつづけた。
「ねぇ、あなたこそ、奥様と仲よさそうじゃないの」
「ははっ、うちも表面上だけですよ。セックスレスとなってから、既に三年は経ってますからね」
「ふ~ん。なら似たもの同士っていうとこかしら」
「そうかもしれませんね。けど、俺はこうして久美さんとこういう関係になれてとても嬉ですよ。何しろ、さっき言った、久美さんに憧れてオナニーしていたというのは本当ですから」
「……恥ずかしいわ。でも、わたしもあなたを気になっていたの……、あっ、そういえば、名前聞いてませんでしたね」
「あ、そうでしたね。俺、和哉っていうんですよ」
「ふぅぅん、和哉かぁ。かっこいい名前ですね……」
「ははっ、完全に名前負けしていますけどね」
「ふふっ、そんなことないですよ」
 と、久美が言ったとき、俺のお腹が空腹を知らせた。
「ふふっ」
「ははっ」
 俺たちは笑った。
「あら、もぉ、こんな時間だわ。お腹も空きますよね。……なにもないですけど、よかったら簡単なもの作りますけど、ご一緒にいかがですか?」
「おっ、嬉しいお言葉ですね。実はうちのやつ、昨日から実家に帰っているんですよ。それで、お昼、どうしようかと思ってたもので、ありがたい」
「えっ! 奥さまいないんですか?」
 久美の目が輝いたように見えた。
「えぇ、いませんよ。今日から一週間の独身生活です。よかったら、久美さん面倒みてくれます?」
「うふふっ……」
 久美は応えずに笑みを浮かべた。
「なんて、冗談ですが、一旦、着替えてきますね」
 と、言いい終え、床に散らばっている衣服を身に着けた。
「じゃぁ、後で」
「えぇ、待ってますわ」
 ブランケットに身をくるんでいる久美に軽く口付けをし、部屋を後にした。




前頁/次頁












作者しょうたさんのHP『官能文書わーるど』


自作小説・投稿小説・コラボ小説・投稿体験談が掲載。
作品数は小説だけでも700作品を超え、まさに官能の巨城。
質・量・見易さ、三拍子揃ったすばらしいサイトです。





















表紙

投稿官能小説(1)

投稿官能小説(3)

トップページ

inserted by FC2 system