官能小説『隣人 改』
しょうた&リレー小説参加者の皆様

※第1話~第2話はしょうたさんの直筆により、
第3話以降はリレー小説の皆様の合作によります
編集はしょうたさんです



第37話

 俺は大きな溜息をつき、側にあるダイニングチェアを引いて腰掛けた。
 みどりは床に座り、頭をたれ、手で涙を拭いながら鼻をすすっている。
 重い空気が漂う中で床の上に転がったローターが卑猥な音をたてながら暴れている。今の状況には相応しくない音だと思い、ローターを手にとりスイッチを切った。
 気まずい場に逃げ出したくなってきたが、やはり、何とか、この美しい若妻もものにしたいとの思いが強い。
 ここに来る前にも思ったことだが、この機を逃したら次はないような気がする。というのも、こういう状況のあとに、自ら積極的にみどりを口説くような度胸が俺にはないからだ。きっと、このまま帰ったら、気まずさが残り、みどりを避けるようになるだろう。自分でも不甲斐無い男だと自覚しているが、なにぶん、長年培われてきた性格なのでどうしようもない。
 幸い、みどりは出て行けとは言っていない。それに、みどりの淫部はたっぷりと潤っていた。悲しみを感じながらもオンナの満たされぬ肉体は快楽を求めている。  長期戦になるかもしれないが、みどりの夫は出張、うちの家族は帰省と二人の間にはたくさんの時間がある。
 みどりの出方を見ることにしよう。

「ごっ……ごめんなさい……私が悪かったのに……」
 五分くらいたっただろうか、思ったより早く、みどりの囁きによって沈黙が破れた。
「落ち着いたようだね」
 優しさを込めて放った言葉に、みどりが顔をあげ、見つめてきた。
「本当に、ごめんなさい。突然だったから、つい興奮しちゃって……」
「いいんだよ。僕の方こそ乱暴してしまって悪かったよ。でもね、これから言うことを真剣に受け止めて欲しいんだ。久美さんとは成り行きで関係してまったけど。実はね、奥さん、いや、みどりさん。僕はずっと君に憧れていたんだよ」
「えっ……」
 みどりの頬に恥じらいの色が浮かんだ。。
「みどりさんは大人の女性だし、男の生理現象についてわかっていると思うから、はっきりと言うよ。実は、夕べ興奮して眠れなかったんだ。何度も何度も空想の中で交わっていたみどりさんが僕のあそこを擦ってきたんだ。堪らなかったよ。それに、みどりさんのオンナに触ったときの感触を思い出して何度、1人寂しく寝ている君の元に行こうと思ったことか。ベッドに横たわりながらたった一枚の壁が、なんでこんなに厚いんだって苛立ったよ。早く、朝になれ。早くみどりさんに会いたい。それで、いてもたってもいられなくなって、ここにきたんだ」
「吉川さん……」
「でも、もう仕方がないよな。もう、諦めるよ。みどりさんのことを考えずに自分本位で行動してまったんだ。当然の結果だよね」
 心とは裏腹に椅子から立ち上がり帰るそぶりをした。
「ちょっと、待ってください。吉川さん、帰らないでください。昨日は酔ったせいで大胆になってしまいましたが、私、吉川さんのこと素敵な方だなぁって思ってました。でも、浮気は怖くて……それに、主人はあっちの方は淡白なんですが、普段は優しい人なんで……」
「迷っているんだね。僕もみどりさんと同じだった。でも、昨日、久美さんと肉体関係を持ったら吹っ切れたよ。なんたって、お互いに欲求不満なんだし、犯罪を犯すわけじゃない。二人だけの秘密にしておけば何の問題もないとは思わないかい?」
「でも……」
「みどりさん、君だって疼く肉体を抑えきれないで、オナニーしているんだろ。満たされない快楽を求めて久美さんに慰めてもらっていたたんだろっ。久美さんが君から離れた今、誰が君の肉体を慰めるんだい。1人でするのかい。寂しいな……。たった、一度限りの人生なんだ。我慢しているうちにあっという間によぼよぼの年寄りになってしまう。一生欲求不満のままで人生を終えるのはつまらないと思わないかい? もっと自分に正直になってご覧よ。ほらっ、僕はみどりさんを思ってこんなになっている」
 床にピタリをお尻をついているままのみどりの前で、服を脱いだ。




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