最終話 夕闇の下で

「どんどん太くなってぇ……はふぅ、どんどん硬くなってぇ……」

優子は腰のピストンを続けていた。
次第に赤味を帯び始めた空の下、力の限り両足を踏ん張らせ、息衝く肉棒を膣に収めた。
そして、デリケートな粘膜に包ませながら引き抜き、我慢できないかのように突き入れる。

「ふぅ、セックスにも慣れてきたようだね。優子のオマ○コが、僕のオチ○チンをみっちりと扱いてくれてる」

「あぁ、やっぱり恥ずかしいのぉ……んん、でも……隼人君が気持ち……いいなら……んんっ……」

ヌチャヌチャと淫らな水音まで響かせながら、騎乗位でのセックスは続いた。

耳を澄ませば、青春の掛け声が聞こえた。
おそらくは日が暮れるまで、どこかの運動部がグランドの土に汗を流しているのだろう。

(わたしだって運動しているの。大好きな隼人君を跨ぎながら、もしかしたらもっと大好きなオチ○チン君を愛しながら。エッチしながら。セックスをしながら)

優子の額からも、大粒の汗が滴り落ちている。
次第に呼吸も乱れて、上下する腰を支える両足は、痺れるような痛みまで訴えていた。

「だいぶ疲れているようだね。手伝おうか?」

「うぅんっ……隼人君はじっと……して……はぅ、わたしだけでぇ……」

なのに、吉村の助けを拒んでみせる。
イヤラシイ快感と筋力が限界を知らせる痛みを同居させながら、優子は尚も肉棒への抽送を続ける。

「このまま出してもいいの?」

「くふぅ、ふぅっ……出してぇ、隼人君の精液……優子のぉ、オマ○コに……」

口にしてはいけない単語が、自然に漏れ出ていた。
女子高生の身で受け入れてはならない最後の一線をも、あっさりと受け入れていた。

(わたしはこの人を心の底から愛しているの。この人が、わたしのことをどう思っているかなんてわからない。たとえこれが、片思いのセックスだとしても……)

優子は下腹部に力をこめた。
泣きそうなほど顔を歪めて、肉棒の肌を絞めあげる。
引き抜いては挿しこんで、そのたびに愛液に浸された膣ひだを、膨張しきった肉肌に絡みついかせていく。
覚えかけたばかりの未熟な性技を駆使し、吉村の身体の上で白い肌を踊らせた。

「ぐっ、はぁっ……優子ぉっ……僕はきみのことを……」

「んく、はくぅーっ……言わないでぇ、それよりも……早く……」

柄にもなく感情を露わにさせかけた少年を、優子は制していた。
そして、腰をひねるようにさせて浮かせた。
血流が集中し破裂寸前の風船と化した男のシンボルを、膣圧のみで暴発させようと、恥ずかしい筋力を振り絞って扱きあげた。

「で、出そう……」

「うれしい……はぁ、隼人君の精液……隼人君のオチ○チン……から、ぐぅ……」

亀頭が膨らむのを、過敏にされた膣肌も捉えていた。
熱く火照った肉棒が、のたうつ感触も意識していた。

「はぅふんっ……オマ○コがぁ……感じちゃうぅっ!」

ハシタナク絶叫をして、優子はしゃがんだ。
溶けるように柔らかい、そんな乳房をプルンプルンと弾ませて、少女の背中は弓のようなしなりを見せる。

「はあぁ……優子……」

「ひゃぁっ! 熱いのがぁ……すごい、たくさん……オマ○コの奥にぃ……」

ビュッ、ビュッと、水音を立てるかの勢いで、男の体液は発射された。
若々しい精液が、健気な若さに満ち溢れた少女の体内へと注入される。
蕩けそうな膣の奥の扉へと、白濁とした液がいつまでも吹きつけられる。

「はあ、はぁ……」

「くふん……ふぅ……」

行為を終えて、激しい息遣いだけが残されていた。
寝そべる吉村の上へと、優子はその身を重ね、どこかまどろむような顔つきでいつまでも……

時間だけが過ぎていた。
いつしか空の色は、薄闇色に染められる。

聞こえていた青春の掛け声も、今は届かない。
少し強くなった風の音だけが、二人だけの屋上広場に拡散していた。

「優子に伝えたいことがあるんだけど、聞いてくれるかな」

「……」

「父さんの都合で転校することになって……」

「いつ?」

「明日……だから、ここに居られるのも今日が最後かな」

「ふぅーん……」

「驚かないんでね。だったらもう一つ告白」

「……」

「麗華のことだけど、本当は僕と付き合ってなんかいなかったんだ。嘘をついてごめん」

「別に謝らなくても」

「入学式の時、優子の姿を一目見てはっとしたんだ。それ以来ずっと片思いってやつさ」

「わたしも……隼人君と片思いをしてたの」

少し錆の浮いた鉄柵に二人して身体を預けていた。
灯り始めた街の夜景に何気なく目を泳がせながら、全裸の肌を寄せ合っていた。

「あっ、垂れてる……隼人君の精液……」

「避妊してないけど、後悔してないの?」

「ううん、全然。これは思い出だから。隼人君とわたしだけの大切な記憶の一部分として」

「キス……しようか」

「して……」

唇と唇が触れ合っていた。
男と女の肌が抱き合わされ、ただ静けさだけに包まれていた。

(わたしは泣かない。だって今、片思いだった恋が両想いにしてもらえたから)

優子の頬を、光るものが一筋流れ落ちていた。







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作者とっきーさっきーさんのHP

羞恥と自己犠牲をテーマにした健気な少女たちの作品の数々。
投稿小説も多数あり。


『羞恥の風』










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